2011/02/24

暫時不在

先日NHKのBSで白隠の水墨画の特集があった。
その中で細川前首相の祖父が所有していた白隠の書がこれです。

暫時不在(ざんじふざい)
如同死人(にょどうしにん)

少しでも油断があり修行する心が途切れたならば、それは死人と同じである。
と説明されることが多いようです。

でも僕はそうはとらない。
この漢文を英文に訳してみよう。

暫時 = a moment
不在 = absence
如同死人 = is as good as dead

Absent in a moment is as good as dead.
一瞬でもいなければ死人も同然。

そもそもあなたは今いるのかいないのか。
現実よりも脳の仮想現実が先行している時
私達は死んでいる。

さらにこれをもっと短くして

不在即死人
とする。

今を過去や未来に預けるものは死人である。


暫時不在如同死人

2011/02/21

インターフェイス

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カメラと万年筆。
どちらもおじさんの趣味としては定番です。
片方は写真を撮る道具。
もう一方は字を書く道具。

何の関係もないようだけど、それらを包括するカテゴリーがある。
それはインターフェイス。

日本語で訳すと「介在するもの」。
二つの世界の境界にあって、両者の間を取り持つもの。

異民族間の「通訳」。
人と人の間にある言葉や楽器。
人と地面の間で言えば「靴」

二つの世界が接触する面に存在して、一方の情報を変換して他方に手渡す仕事をする人やモノ。

カメラは外の世界と人の間に存在して、レンズで世界の光を変換する道具。
万年筆は内面の思いを外界に産み落とす通り道。
そのときインターフェイスに微妙なタッチを表現出来る許容があれば
より豊かなものをおたがいに交換することが出来る。

万年筆がボールペンより優れているのは
微かな思いの揺らぎをはからずもインクの濃淡が表現してしまうからでしょう。

もしパソコンのキーボードが打鍵の速度と強さを感知して
フォントの種類やサイズや線の太さを変化させることが出来たら
その時キーボードはピアノのように人の思いを表現する道具に変わるかもしれない。
まあ、それは単なる想像だけど
インターフェイスにこだわるようになったら名実共におっさんである。
と勝手な結論を書いてペンを置く。

2011/02/20

ミュージック熱

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もうすぐ春だし冬物バーゲンセールでオーバーを買いに神戸の三宮へ行く。
僕が今着ているオーバーは10年以上前に買ったもので
寒い季節は写真散歩の時にポケットに何本もレンズが入るのですごく重宝していたけど
もうよれよれでチャックも壊れてしまった。
L.L.Beanへ行ってメインワーデンズパーカーを見たけど
あまりにもヘヴィーデューティーなのと、胸ポケットのレンズの出し入れに手間取りそうなので断念する。
でもマイナス30度の耐寒性能は蠱惑的。南極へ行く用事が出来たら買うことにしよう。
Eddie Bauerでノースウェストフォレストダウンパーカーがすごく気に入ったので買う。

三宮センター街へ行き明石焼き600円を食べる。とても幸せ。高級料理より好き。
そのあとナガサワのDENへ行って万年筆を見る。
最近僕は万年筆に首ったけ。
それというのも仕事で使っていたモンブラン149をなくしたからだ。
いや、正確に言うともう見つかったんだけど。

なくして数日間、職場のあちこちで聞いて回ったけど出てこない。
家の中も探したけど出てこない。
ああ、もうあれは出てこないな。しようがない。誰かが使ってくれるだろう。
そう思って、じゃあ新しい万年筆を探さなきゃと
以前から気になっていたペリカンのM1000とか、ネットで見ているうちに俄然欲しくなってきた。
それから僕の好きな筆致の、縦太横細の字の書けるスタブというペン先(ニブ)を調べているうちに
渡りに舟と言うんだろうか、
「趣味の文具箱」という雑誌の最新号(vol.18)がなんと、そのスタブを含むペン先特集だ。
さっそく注文する。

妻から職場にいる僕にメールが来た。
万年筆が洗濯機から出てきたよと。
洗濯機は僕も二回頭を突っ込んで探したけど見つからなかった。
でも実は洗濯機のゴムのパッキンの中に埋もれていたらしい。

さて、でも「趣味の文具箱」最新号はアマゾンの密林から予定通り届くわけだ。
僕は当然その雑誌を持ってお風呂に入る。
そして額から汗を流しながらその雑誌の記事をじっと見つめているうちに
買わねば。
買わなくてはなるまい。
買わなくてどうする。
という言葉が頭の中でぐるぐる回り出して
ま、それは大げさだけど、一番評判のよさそうなプラチナのミュージックニブを購入した。

それは比較的安いのはいいけど(1万円)、来てみて驚いたのがその華奢な作り。
気持ちがしゅんとなるくらい細くて軽い。
いや、たしかにこういう細さと軽さを好ましく思う人もいるだろうけれども。
やっぱりこういうものは一度試筆してから買うべきなのだ。

で、ぼんやりネットでいろいろ見ていると
中屋万年筆というところがプラチナのニブで魅力的なペンをいろいろ作っている。
当然プラチナのミュージックニブも付けられる。
その中のブライヤーという、パイプの材料の木で出来た万年筆がとても魅力的に見えた。

ツイッターで呟いたら、僕のブログに時々遊びに来てくれるparadisさんが
神戸のナガサワに置いてるかもよと教えてくれた(paradisさんサンキュ(^_^))。
で、ナガサワの店員さんにツイッターでメッセージを送ったら
中屋ブライヤーと同じ規格の#3776のブライヤーなら置いてますと教えてくれた。
(余談だけどツイッターが現実に役に立ったのはこれが初めての経験です)
で、今日はそういう目的もかねて神戸にやってきた。

で、そのブライヤーだけど、
首軸の太さが先日買ったプラチナバランス#3776とあまり変わらない。ペン本体も思ったより軽くて短い。
もっとどっしりしたペンを想像していたので意外。

それでお姉さんに中屋の他のペンを見せてもらう。
セルロイドに漆塗りのライターモデルの首軸はブライヤーより太くて幾分持ち応えがある。
朱や緑はきれいだけど黒の4万円より1万7千円高い。
それでその黒を選べば浮いたお金でペン先とクリップをルテニウムという金属の仕上げに出来る。
黒地に銀だからかっこいいと思う。
ペン先はもちろんミュージック。
とりあえず見積もりをメールで送ってもらうことにする。

それから店内をぶらぶらして、ペリカンM1000BBを試し書きさせてもらう。
パイロットのミュージックの試し書きもさせてもらう。
フローはよいがペン先が割れたり当てるだけの軽い書き方でもフローの遅れがある。
これは僕の持ち方のせいかもしれないけど、書き味はプラチナの方が当たりが軟質でなめらかで追従性がいい感じ。
ペン本体はパイロットの方がいいけど、書き味を優先するのでここでパイロットに宗旨替えするわけにはいかない。
お姉さんにパイロットを返して帰宅。

いや長々しい言い訳です。
カメラ道楽に、万年筆道楽。
まったくばかに付ける薬はありません。



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2011/02/18

プラチナ・ミュージック

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手前にあるのが今日届いたPlatinum #3776 Music。









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縦太横細の字を書くための独特のペン先。









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インクのフローがとてもいい。書き心地もすごくいい。
でもペンが軽すぎる。ペン本体の重さと太さを倍ぐらいにして欲しかった。
気兼ねなくガシガシ使うことにしよう。

2011/02/12

赤いマンサク

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以上グッと大人っぽいムードでお届けしました。

黄色いマンサク

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始めSTFで撮り始めたんですがぶれまくってとても無理。
早々と諦めてMICRO NIKKOR 2.8/55にチェンジ。
このマクロレンズは20年ほど前に仕事用に買ったんですが
ずっと押し入れで眠っていた。
E-P2王子のキスで目覚めた眠れる森の美女。
このあとの赤いマンサクシリーズでも活躍します。

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