2015/06/29

在庫処分


在庫処分
「少なくともそのとき私は欲望に忠実だった」というアリバイ物件に取り囲まれて身動きが取れなくなって、自分の馬鹿さにうんざりするとひとは断捨離したくなるものなのか。そうなのか。
どれもすべてその時時は落語の千両みかんの若旦那みたいにそれなくしては夜も明けぬほど熱に浮かされて恋い焦がれていたのに、手に入れてみれば自分には縁のないものだったと気付いて、それでもかつての自分の思い入れに対する落とし前がどーしても付けられず「今はその時ではないがいずれこのカメラ、このレンズが必要な時が来る」「キット来る」「来るに違いない」「来るだろう」「来るような気がする」「来るのかな?」「あれ?」「来ない・・・かも?」「来ないんじゃないか?」「来るもんか」。
それでようやく重い腰を上げた。









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