2026/10/17

キノコはどこに生えているか


#946
Sony A7R3 Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical





僕はもともとキノコ好きだったがマクロアポランターを手に入れてから以前にもましてキノコが撮りたいヒトになった。
しかしキノコはなかなか生えていない。いや生えているんだろうけど「よう見つけきらん」。
探す努力はしていて、当てもなく山や林や森をたくさん歩いているのだがなかなか出会うことが出来ないのだ。

それで今日ふと思った。
僕がおもにほっつき歩いているのは杉の植林林だからではないか?
ひょっとするとキノコは広葉樹林に生えるのではないか?
それでGeminiに聞いてみた。

キノコの写真撮影をしていますがなかなかキノコが見つかりません。それは私が行く森が針葉樹林だからではないか?広葉樹林ならもっとキノコが見つかるかもなどと考えています。どう思われますか? 


その推測は半分正しく、半分は別の要因が絡んでいます。

結論から言うと、「樹種の違い」も大きな要因ですが、「林の手入れ状態(人工林か天然林か)」と「雨と気温のタイミング」のほうがキノコとの遭遇率を大きく左右します。

1. 「針葉樹林だから出ない」わけではない

キノコには針葉樹(マツ、ツガ、トドマツ、モミなど)と共生する菌根菌や、針葉樹の倒木を好む木材腐朽菌も数多く存在します。実際、亜高山帯の針葉樹原生林などは多種多様なキノコの宝庫です。

しかし、身近な針葉樹林の多くはスギやヒノキの人工林(植林地)です。

  • スギ・ヒノキ林の特性: スギやヒノキは一般的なキノコ(外生菌根菌)と共生関係を結ばず、内生菌根菌(アーバスキュラー菌根菌)と共生するため、大型の目立つキノコ(子実体)をほとんど作りません。

  • 暗さと乾燥: 密集した植林地は地面に光が届かず、枝打ちや間伐がされていないと表土が乾燥しがちで、発生するキノコの種類が極端に限定されます(スギヒラタケや枯れ枝に付く微小なキノコなど一部に限られます)。

もし通われているのがスギ・ヒノキ主体の人工林であれば、「広葉樹林に変える」ことで劇的にキノコとの遭遇率は上がります。

2. 広葉樹林のほうが探しやすい理由

コナラ、クヌギ、ミズナラ、ブナ、カシなどのブナ科を中心とする広葉樹林(または針広混交林)は、以下のような好条件が揃っています。

  • 共生菌の多様性: テングタケ類、イグチ類、ベニタケ類など、傘がきれいに開くフォトジェニックな大型キノコの多くがブナ科樹木と共生します。

  • 豊富な腐植層: 落ち葉が厚く堆積し、適度な湿度と有機質が保たれるため、落ち葉を分解する腐生菌(ホウライタケ類など)も群生しやすくなります。

  • 倒木の豊かさ: 立ち枯れや倒木、朽ち木が多く残り、美しい木材腐朽菌がつきやすい環境ができます。

3. キノコを見つけるための実践的なチェックポイント

樹種を変えることに加えて、以下のポイントを意識すると発見率が大きく跳ね上がります。

  • 狙うべき林相:

    • 雑木林・里山: コナラやクヌギが主体の明るい二次林。

    • ブナ・ミズナラ林: 少し標高を上げた天然林(苔むした倒木や巨木が多い場所)。

    • アカマツ混交林: アカマツが混じる尾根筋などは、針葉樹でありながらキノコの宝庫です。

  • 「まとまった雨」の2〜4日後を狙う:
    キノコの発生は雨量に強く依存します。降水量20〜30mm以上のしっかりした雨が降ってから数日後、地中の菌糸が一気に子実体を立ち上げるタイミングが最も狙い目です。

  • 森の中の「微環境」を見る:

    • 登山道・遊歩道の切り通しの斜面(土が露出して湿度がある場所)

    • 谷沿いや沢沿いの湿気が滞留しやすい窪地

    • 木漏れ日が適度に差し込む、苔の生えた倒木や朽ち木

粘菌類はどうでしょう?

粘菌(変形菌)に関しては、針葉樹林・広葉樹林のどちらでも十分にチャンスがあります。

キノコ(真菌類)が生きた樹木の根と共生する「菌根菌」に依存する割合が大きいのに対し、粘菌は倒木や枯れ葉の表面にいるバクテリアを食べて移動するアメーバ動物的な性質を持っています。そのため、樹種そのものよりも「朽ち木の状態」と「湿度」が決定打になります。

1. 針葉樹林と広葉樹林での出方の違い

  • スギ・ヒノキの人工林でも意外と見つかる
    手入れが行き届かず間伐材や倒木が放置されているスギ・ヒノキ林は、大型キノコは出にくいものの、湿度が高く保たれている朽ち木があれば粘菌の好環境になります。

    • スギやマツの倒木には、マメホコリ、ツノホコリ、クダホコリ、ムラサキホコリなどがよく付きます。

  • 広葉樹林(照葉樹林・落葉広葉樹林)
    倒木や落ち葉の分解スピードが速く、微生物が豊富です。モジホコリ類やジクホコリ類、ルリホコリ類など、メタリックな輝きや鮮やかな色彩を持つ美麗種が豊富に見られます。

2. 粘菌が見つからないときに疑うべきポイント

キノコ以上にサイズが小さく(子実体の多くは1mm〜数mm)、探し方の視点がキノコとは全く異なります。

  • 目線とスケール感の違い:
    キノコを探す感覚で立ったまま歩いていてもまず見つかりません。目線を膝から地面の高さまで落とし、朽ち木に顔を10〜20cmまで近づけてルーペ越しに見るような感覚でスキャンしていく必要があります。

  • 狙うべき「朽ち木の熟成度」:

    • 倒れて間もない新しい木:出ません。

    • 手で触るとボロボロと崩れる、あるいは指が少し沈む程度の朽ち木: 最高条件です。特に苔が薄く生え、常にしっとり濡れている倒木の下側や割れ目は一等地です。

  • 季節と気象条件:

    • ベストシーズンは初夏(梅雨時期)から秋(6月〜10月頃)。

    • 3日ほど雨が続いた後の晴れ間、あるいは雨上がりの翌日などが、変形体(アメーバ状)から子実体(きのこのような柄と頭部)へと姿を変える絶好のタイミングです。

3. 撮影時のアプローチ

マクロで子実体の造形や胞子の質感を写し止める場合、被写界深度が極めて浅くなります。

  • ルーペや手持ちライトの持参: 木陰の薄暗い倒木の隙間を探すため、演色性の高い小型LEDライトを斜めから当てると、肉眼では見落とす微小な水滴のような子実体がキラリと光って見つけやすくなります。

  • 低位置の固定: 地面すれすれの倒木の下などにできることが多いため、ミニ三脚や豆袋(ビーンズバッグ)などでカメラをしっかり据え、深度合成(フォーカスブラケット)を活用すると、粘菌特有の繊細なガラス細工のような構造が際立ちます。

キノコが見当たらない日でも、朽ち木を1本じっくり観察するだけで数十〜数百個の微小な粘菌ワールドが広がっていることがよくあります。


とのことでした。
このあと僕が住んでいる場所の近くの広葉樹林を複数箇所教えてもらったので近々行ってみようと思う。




2026/10/15

キノコ高速連写実践編


#945
Sony A7R3 Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical






旧街道脇でキノコの写真を撮ったのが10月9日。
その翌日止まっているものを連射する方法を思いついた(リンク)ので、その方法を試したくてウズウズしていた。撮りに行きたかったがいろいろあって延び延びになっていた。

昨日はちょうど雨上がり。よし今日は行くぞ!と。それに今日は秘密兵器があるのだ。まあそれはあとで話すとして現場へ行ってみたらキノコがしおれているではないか!前回撮影してから5日しか経っていないのに。なんてこった!

それでも気持ちをもり立てて、しおれている姿を美しく撮るためにあれこれ工夫して、例の高速連写法で6シリーズ、各10~20枚、各シリーズの間に印となる捨てショットを含め合計130枚ほど撮って帰宅。それから昨日丸一日かかって編集。
注:6シリーズ撮ったが結局使ったのは最後に24枚連射したシリーズのみ。



実は前日にこの人の動画(リンク)を見ていてキノコの撮影にミニライトを使うことを思いついたのだ。
ミニライトなら僕も持っている。JJC ポータブル LED マクロアームライトという製品で、僕はこのライト(リンク)を2024年の1月にアマゾンで購入したが数回使用したあと例によってほとんど使わず道具箱にしまったままだったのだ。さっき書いた秘密兵器とはこのこと。
僕はこのライトの片方の先端を外して手作りの赤いフィルターを内蔵させてある。下が撮影現場写真。


赤矢印がしおれているキノコ。LEDライトは二股になっているのでそれを上図のように枝に引っかけてセット。上が白色ライトで下が赤フィルターライト。

止まっているものを高速連写する方法の問題の1つが手振れ。もちろん手持ちで連射しながら被写体に近づいていくのだから手振れもクソもあったものではないが(笑)シャッター速度は速いに越したことはない。ライトが当たっているおかげで開放F2, ISO800で1/320で撮影することが出来た。

僕は画像合成にHelicon Focusというソフトを使っている。
Helicon Focusの使い方については話すと長くなるが具体的には、

  1. まずSDカードの中身のRAWファイルをすべてデスクトップのフォルダーにコピーペースト。
  2. 次にデスクトップ上のAdobe Bridgeのショートカットを起動する。このAdobe Bridgeはさっきのデスクトップフォルダーの中身が表示されるように連携させてある。
  3. Adobe Bridge内の各シリーズのファイルをデスクトップのAdobe DNG Converterのショートカットにdrag & dropする(RAWのままではHelicon Focusは作動しない。TIFFに変換すれば作動するがDNG Converterで変換してからヘリコンに放り込む方が簡単)。
  4. RAWからDNGに変換されたファイルの置き場所はさっきのデスクトップのフォルダー内に指定してあるので、それをAdobe Bridge内からデスクトップに置いてあるHelicono Focusのショートカットにdrag & drop。
  5. Helikon Focusで右下のレンダリングをクリックして合成作業が始まる。
  6. 合成が終わったらトップのレンダリングの右のレタッチをクリック(※)。
  7. 右のソースファイル欄で選んだものが左側に表示されるので右側のレンダリングの終わった画像のおかしな所を左側の画像を見ながらブラシで修正する。
  8. 最後に保存して終了。
  9. 出来上がったTIFFをPhotoshopで編集開始。

(※):僕は今までその出来上がったTIFFをPhotoshopで編集していたが、あとになっていろいろ細かい場所でちぐはぐなところが見つかって編集に難渋する。今回は合成でおかしくなるところを一つ一つきれいに調整するためにHelicon Focus内のレタッチを使って修正する方法を学んだ。それと手前のボケも合成するとおかしな絵になるのでその場所は合成を採用せずに気に入ったショット(大抵はソースファイル欄の下端のショット)でブラシでなぞるとよい。

文章ではわかりにくいと思うので上記のAdobe BridgeからHelicon Focusでの作業までを2分30秒の動画にしてYouTubeにアップした(リンク)ので興味のある方はご覧下さい。


Helicon Focusについては以前も書いた(リンク)のでこれも興味があればどうぞ。





2026/10/11

#944


#944
Sony A7R3 Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical













2026/10/10

止まっているものを連写する


#943
Sony A7R3 Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical






昨日の写真散歩。峠の途中まで行って疲れて引き返してきた帰り道。旧街道の崖に倒木が身をせり出していた。
ふと見ると小さなキノコがパラパラ生えている。うれしくなり撮影開始。

キノコはそのまま撮っても面白いが傘の手前の屋根の部分と奥の傘の下のヒダを一枚の写真にまとめ上げるとキノコの精緻な構造を感じれる写真になる(やりすぎると図鑑写真になるが)。そのために出来れば深度合成で撮りたい。

OM-1ならカメラ任せでフォーカスをずらしてカメラ内合成してくれるしGFXでもフォーカスブラケットで撮影しあとで合成できる。

しかしアポランターはマニュアルフォーカス。
僕はマクロプラナーみたいなMFレンズで深度合成写真を撮りたいときはだいたいフォーカスリングを回しながら、あるいはフォーカス固定でカメラをずらしながら複数枚撮影してあとで合成していた。
上の写真は仰ぎ見ながらかなり無理な姿勢で撮ったので傘の前後を1枚ずつ撮影するのがやっと。で、それを帰宅後合成した。

でも帰る道々考えていた。
合成ソフトのHelicon Focusは優秀なソフトなので多少構図がズレていても全部まとめて合成してくれる。しかしズレが大きいとトリミングされて合成画像はかなり小さくなる。なるべくなら構図はずらしたくない。

多重露光したらどうだろう。傘の手前で一枚撮って、多重の2枚目以降は一枚目のフレームや画像からズレないように撮っていけば?
それで今日Sony α7Riiiの取説を調べてみたらSony α7Riiiは多重露光撮影が出来ないカメラだった。

うーん、そうかー。じゃあほかの方法を考えよう。
傘の手前から徐々にカメラを奥にシフトしながら連続撮影したらどうだろう。

手持ちのカメラをゆっくり前方にシフトしながら高速連写する。これだ!



それで机の上に1/4インチねじを置いて上記のやり方で14枚撮ってHelicon Focusで合成したのがこの写真。

いいかもしれない。このときは2枚のカード同時記録かつメカニカルシャッターで低速連続撮影したので14枚で止まってしまったが、同時記録をやめて電子シャッターで高速連写(ただしHigh+だとどの深度まで撮れているかをモニターで確認できないのでHighを選択)すれば何十枚も連続で撮れるしカメラを動かす間に細かいステップで撮影できる。
次回はそのやり方で撮ってみよう。

追記:僕はドライブモードで連射モードを選んだことがない。止まっているものばかり撮っているからだ。それは僕が動いているものは撮らないからだ。
今回思いついた方法は「止まっているものを高速連写する」というもので、今まで全く思いつかなかった方法だ。面白い。タイトルを「手持ちで深度合成」から「止まっているものを連射する」に替えよう。


2026/10/09

力王たびふたたび


#942
Sony A7R3 Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical




 

僕はもともと「歩くひと」だった。
京都で浪人していた頃は勉強に行き詰まるとジャージ姿で京都の町をあてどなく歩き回ったし、今でも歩きながら考えるという習慣は変わらない。

2年ほど前にトレッキング用のブーツを履いて山歩きしたときにすごく歩きにくくて何度も転倒しそうになった。これは靴底が分厚くて地面の凹凸を感じることが出来ないのが原因に違いない。そうだ!地下足袋なら足の裏で地面を感じることが出来るし、こういった伝統的な履き物を一度試してみるのも楽しいぞ、と考え地下足袋を数種類購入(おっちょこちょいな性格はなおらない)。
ところが僕はその頃からカヤックにのめり込んでしまい陸を歩かなくなった。地下足袋もトートバッグに入れて押し入れの中へ。

その後骨折を契機にカヤック熱が一段落してまた写真を撮り始めた。陸を歩き始めたわけだ。それで先日久しぶりにブーツを履いて山へ写真散歩に行ったらガレ場でつまづいて足を捻挫しそうになった。
そのときにあ、そうだ、押し入れに地下足袋があるはずだと。
それで今日は地下足袋を履いて写真散歩。
じかに地面を感じることが出来るし足つぼマッサージになる。とても気に入った。







2026/10/07

SonyでSTF


#941
Sony A7R3 Sony 135mm STF




STFはAマウントなのでSony α7Riiiで使うためにLA-EA5を購入。今までSTFをm4/3やGFXや改造してNikonで使ったりしてきたけどようやくSonyでSony。スッキリしました。
写真は民家の垣根に絡まっていたオニドコロ。





2026/10/02

#940


#940
Sony A7R3 Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical













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