ss1/80, f5.6, ISO 3200, close up lens No.2, Helicon Focusで98枚合成
私は少しずつカメラを近づけながら高速連写(8枚/秒)してHelicon Focusでスタッキングしています。手前から奥に向かってゆっくりカメラを進めながら撮影するのですがしばしば合焦していない領域が発生します。これは全行程を同じ速度でゆっくり動かしていないためにフォーカスがスキップしているせいだと思うのですが、それを回避するために例えばカメラを近づけたあと戻すというふうに行程を往復させればスキップが回避できると思うのですがどう思われますか?
1. なぜ「往復(近づけて戻す)」は破綻しやすいのか?
- 光軸のブレ・視差(パララックス)の不一致: 手持ちで「往路(前進)」と「復路(後退)」を行うと、人間の体の動きの癖で、往路と復路でカメラの上下左右の角度や光軸が微妙にズレます。同じピント位置でも異なる角度から撮られた2枚が混ざると、Helicon Focusの演算(特にMethod Bなどの深度マップ法)でエッジが二重になる「ゴースト」や輪郭の滲み(ハロ)が多発します。
- 被写体の微細な動き(風・自律運動): 往復させると撮影時間が2倍近くに伸びます。その間に微風で胞子や毛が揺れたり、微小昆虫(トビムシ等)がわずかに姿勢を変えると、往路と復路で「違う形の像」が重なり、合成エラーの決定打になります。
- 被写界深度の「隙間」はランダム: 往復させたところで、「行きに急ぎすぎて抜けた箇所」を「帰りに確実に拾えるか」は運任せになりやすく、結果として枚数だけが肥大化して選別が困難になります。
2. 「フォーカススキップ」が起きる真の原因
- 手持ちの「腕の筋肉」だけで前進させようとしている: 腕や手首だけでカメラを前へ押し出そうとすると、筋肉の引っかかりで動きが「カクッ、カクッ」と不均一(ステップ状)になり、そこでコマ飛びが起きます。
- 連写速度と前進速度のミスマッチ: 等倍〜5倍の超マクロの世界では、被写界深度はコンマ数ミリ(0.1mm〜0.2mm以下)しかありません。毎秒8コマで連写していても、1秒間に1mm以上進んでしまうと、ピントの重なり(オーバーラップ)が途切れてしまいます。
3. スキップを確実に防ぐ「片道・超低速」の身体技法
① 「体重移動」で前進する(腕は完全に固定)
- 腕や手首の力でカメラを前に出そうとせず、両肘を自分の膝・太もも、または地面の倒木にガッチリ押し当てて三角錐(三脚構造)を作ります。
- 前進させる動力は腕ではなく、「上半身(体幹)の体重をほんの数ミリ前へ傾ける」感覚、または「息をゆっくり吐きながら胸をほんのわずか前に倒す」動きを使います。これだけで、機械のマイクロレールのように滑らかで等速な前進になります。
② 「超スローモーション」を意識する(5秒で1〜2mmの世界)
- 連写音「カタカタカタ…」と鳴っている間、「止まっているように見えるくらい遅く」体を前に倒します。
- 100枚撮るのに連写Hi(約8コマ/秒)なら約12秒です。この12秒間で進む距離はわずか2〜3mm程度で十分です。「進みすぎている」と感じるくらいが超マクロでは適正です。
③ 絞りを半段〜1段絞って「重なり代(しろ)」を稼ぐ
- もし絞りをF4開放寄りで撮っている場合、被写界深度が薄すぎてスキップがシビアになります。
- アポランター65mmであれば F5.6 〜 F8、LAOWA 45mmであれば F5.6 程度に設定すると、1コマごとの被写界深度に適度な厚みが生まれ、前進速度が多少ムラになってもコマ同士がしっかり重なり合い、スキップが劇的に減ります。
まとめ
- 往復撮影: アライメントエラーやゴーストの原因になりやすいため非推奨。
- 解決策: 往復させるのではなく、「肘を固定し、体幹の傾き(体重移動)を使って、これ以上ないほどゆっくり片道(前進)で駆け抜ける」。
ということで庭に咲いていたハナカタバミを一輪部屋に持って上がって体幹の傾きで98枚撮影し合成してみた。まだ少しおかしな所もあるがまずまずの出来か。










