ブログにアップした谷川俊太郎さんの詩「あなたはそこに」。
コメントをいただいたTiM3さんへのご返事が長くなってしまったので
ブログの本文としてアップさせていただきました。
あっ、それからこの詩を心の宝石として大事にとっておきたい方は、ぜひ以下の文は看過して下さい。
TiM3さんありがとうございます。
>あなたの死すら、わたしを生かす
のくだりがグッと来ましたね!
そうなんですよ。目の前のスナップショットの繋がりから、この段になって急にカメラアイがパーッと引いて、彼女の姿は遙かな過去の手の届かないところまで遠ざかり、最後の一文で再び彼女の眼前に視点が戻る、その時間の往復が彼女への思慕の強さを表している気がします。
今日TiM3さんに言われて、あらためてこの詩を見直してみると、深い感興を呼び起こすこの詩が理知的とも言えるしっかりした構成で作られていることに気付きました。
この詩は4つの段で構成されている。
それぞれの段はすべて6つのセンテンスで構成されている。
4つの段は実は一般的な起承転結の形をとっている。
全部で6×4=24のセンテンスのうち、起承転の前3段の18センテンスのうち、13センテンスがイ行で終わっており、彼女のスナップショット同士を繋げる働きをしている。
結の段の6センテンスのうち4センテンスがウ行で終わっており、彼女の思い出の袋に封をする働きをしている。
まあ読む方はそんなことは意識せずに作者にプレゼントされた贈り物をそのまま受け取ればいいんですが、ふと作る側の視点でこの詩を見ると、感動を支える確かなプロの技術を見る気がします。
いや、プロであればこんなことはほとんど意識せずに作っているんでしょうけどね。
9月は何だか速かった気がします。
帰宅後空が高かったので部屋からカメラを取ってきて撮りました。
真上を見上げながらくるくる回っていました。
変な人。