ブログにアップした谷川俊太郎さんの詩「あなたはそこに」。
コメントをいただいたTiM3さんへのご返事が長くなってしまったので
ブログの本文としてアップさせていただきました。
あっ、それからこの詩を心の宝石として大事にとっておきたい方は、ぜひ以下の文は看過して下さい。
TiM3さんありがとうございます。
>あなたの死すら、わたしを生かす
のくだりがグッと来ましたね!
そうなんですよ。目の前のスナップショットの繋がりから、この段になって急にカメラアイがパーッと引いて、彼女の姿は遙かな過去の手の届かないところまで遠ざかり、最後の一文で再び彼女の眼前に視点が戻る、その時間の往復が彼女への思慕の強さを表している気がします。
今日TiM3さんに言われて、あらためてこの詩を見直してみると、深い感興を呼び起こすこの詩が理知的とも言えるしっかりした構成で作られていることに気付きました。
この詩は4つの段で構成されている。
それぞれの段はすべて6つのセンテンスで構成されている。
4つの段は実は一般的な起承転結の形をとっている。
全部で6×4=24のセンテンスのうち、起承転の前3段の18センテンスのうち、13センテンスがイ行で終わっており、彼女のスナップショット同士を繋げる働きをしている。
結の段の6センテンスのうち4センテンスがウ行で終わっており、彼女の思い出の袋に封をする働きをしている。
まあ読む方はそんなことは意識せずに作者にプレゼントされた贈り物をそのまま受け取ればいいんですが、ふと作る側の視点でこの詩を見ると、感動を支える確かなプロの技術を見る気がします。
いや、プロであればこんなことはほとんど意識せずに作っているんでしょうけどね。
こんにちは。
返信削除ワタシも改めて、本文を読み返してみました。
今回は「言葉の応酬」って部分が光ってみえましたね。
「あなたはそこにいた 退屈そうに」
「目をみはり私をみつめ くり返し私に語りかける」
「あなたは私に愚痴をこぼしてくれた」
「私の自慢話を聞いてくれた」
とかですね。
特に「目をみはってみつめる」って表現に“寸止め状態の恋心”が(彼女の中に)流れていたんじゃないかな、と。
映画ネタで言えば、石坂浩二口調で
「あなたはあの方を、愛してらっしゃったんですね」
と言ってみたくなる読後感です(=^_^=) ←『悪魔の手鞠唄』より
TiM3
追記:上記で“彼女”と書きつつ「そう言えば、“あなた”が女性だった、と言う断定は“あなたの夫”なる表現のみでなされてるんやなー」と感じたり。
そこのダイレクトな表現を技巧的に処理出来れば(省ければ)・・
例えばワトスンがホームズの死後に、詩を捧げた場合、こんな調子になるんじゃないだろうか・・?!(むろん、細かいシチュエーションは異なりますけど) などとも妄想が広がりました(=^_^=)
>寸止め状態の恋心”が(彼女の中に)流れていたんじゃないかな、と。
返信削除どうでしょうか。恋に疎い僕にはよくわかりません(笑)。
でもいろんな見方があっていいと思います。
ワトスンとホームズの関係ってちょっとそのけがあったんでしょうか。
うーん、これも僕にはよくわからない領域です。
降参です(笑)。
はじめてこの詩を読んだとき、「あなたの夫のキープしたウィスキー」っという件に来て、「えぇっ?!」と思いました。あなたって男性なん?あまたは男性じゃないにしても少なくともあなたの相手は女性なん? と思って少し混乱して、最初からもう一度読み直した覚えがあります。
返信削除ちょっとあこがれますが、ちょっと切ないですね。
うーん、まあ、もう性別は何だっていいことにしましょう(笑)。
返信削除降参です。
みゆさんが「あなた」が男性が女性かについて述べておられたことがずっと気になっていました。
返信削除僕は男だし、谷川俊太郎も男なので、そしてそれは無意識のうちに自明なので詩の冒頭に「あなた」が登場したときには当然その人は女性(版画家の山本容子さんが一番近い(笑))でした。
でもみゆさんの気持ちになってこの詩を読むと、「あなた」は男性ですね。
女性は女性の視点で世界を見ていることは頭ではわかっていましたが、思い入れの強い詩は自分の中のイメージが固定しているので、なかなかそのイメージをリセットすることが出来ませんでした。
反省です(笑)。それと、この詩を女性の視点から味わうことが出来たのも思わぬ贈り物でした。
違う視点から詩を楽しまれたようで、よかったです(^-^)
返信削除「あなた」ってなかなかいい言葉ですよね。演歌歌手のジェロさんが言っていました。「日本語にはYouにもたくさんの表現があって、それぞれに背景がある。それを感じ取ることで歌詞を表現できる。」
それにしてもうらやましいです。この詩みたいにこんなソウル・メイトに出会える人生って。自分自身も実はすでに出会っているのに気づいていないかもしれませんね。気づいていないままに距離感が保てずに過ごしてきてしまったのなら、惜しいことです。
普段身近にいる人たちとは話せないようなこともブログでは会話出来たりするのは何だか不思議です。
返信削除そういう意味ではみゆさんや僕のブログにコメントしていただける皆さんは僕のソウル・メイトなのかもしれません。
いやーオチがないとオチつきませんね。
大阪人失格だ。
ソウル・メイト、、、なんですね!
返信削除オチを気にするあたり、しっかり大阪人なのでは?
そういえば京都出身の私の母も話のオチには厳しかったような気がします。もちろん、大阪には負けてるけど。