朝起き抜けや夜寝床に入ったあとなどに布団の中でぼんやり「くらしのこよみ」というアプリをiPhoneで見ていると、そのなかに時々パチッと目がさめるような俳句がある。
日常の中の些細な驚きや心の揺れを過少な言葉にまとめた俳句はまるでスナップショットのようだ。
随分昔の江戸や室町のことなのに心の震えのみずみずしさが遠い時間の隔たりを一気に超えて飛び込んでくる驚き。例えばこの一句。
ふらここの会釈こぼるるや高みより
「ふらここ」はぶらんこ。
誰だろう、あんなに天高くブランコを漕いでいるのは?と見上げると知っている女性がブランコの上から天真爛漫な笑顔で会釈した。
これは炭太祇(たんたいぎ 1709年宝永6年~1771年明和8年8月9日)の句。
日本人はカメラのない昔からスナップショットを撮っていたんですね。
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