2013/11/15

えぐい私考

DSC_8222

今朝飲んだコーヒーはあまり美味しくなくて、なんて言えばいいんだろう、そう、えぐみがある感じ。
えぐみって不思議な言葉だな。えぐいって言ったりする。
「えぐ」って何だろう。EGU。

EGUで連想するのは「えげつない」という言葉。EGETUNAI。
これ、関西ではよく使うけどいつ頃から使われているんだろう。
それでジャパンナレッジ日本国語大辞典で調べてみた。

えげつ‐な・い
「語源は不明。好ましくない状態を意味するが、
あくが強い味覚を表現する「えぐい、えごい」が、ひどい、残酷という意味で用いられた例が江戸時代にあり、この語に関わるか。
また、「いかつい(厳)」から派生したとする考え方もあるが、いずれにせよ「ない」は「はしたない」「せわしない」と同様に甚しいの意である」と。

そうか。「えげつ」が「ない」じゃなくて、
「えぐ」に強調の「つ」が付いて「えげつ」。それを強調する「えげつな!」に「い」が付いて「えげつない」になったのか。ほー。

じゃあ「えぐい」ってなんだと調べてみると
えぐ・い[ゑぐい]
意味:あくが強くてのどをいらいらと刺激するような味や感じがしている。えごい。えがらっぽい。いがらっぽい。
とあって、和名抄という平安時代の辞書に茄子のエグみを取る方法にこの言葉の古い使用例が載っていた。
つまり「えぐ」というのは当初から味覚とつながりの深い言葉なんだね。

えぐいの語源には諸説あるらしくて例えばえぐるような味とか、えぐられるような苦しみとか書いてあるけど、何となく説得力に欠ける。
えぐるという動詞では味覚とのつながりが切れてしまうような気がする。

「えがらい」という方言は「食物のあくや煙などのためのどが刺激される」という意味で使われている(同書)らしい。
それは煙で燻(いぶ)されたような、焦げたような状態を想像させる。
「いがらい」の「い」は「い(煎・炒・焦)る」ではないか。
つまりいがらいというのは、「(焦げるまで)煎(い)って辛(から)くなった状態」のことじゃないんだろうか。
焦げカスや灰の入ったものを飲むとえぐく感じるような気がする。
だから煎り過ぎたコーヒーを飲んでえぐいと感じるのは正しい!(笑)。

0 件のコメント:

コメントを投稿

twitter