2025/11/07
2025/11/05
Micro-NIKKOR 200mmを買い戻した
マイクロニッコールの200mmは2012年の4月に買ってマイクロフォーサーズのE-P2に付けて使っていた。とても気に入ったがマクロだけ撮っていればよかったものを当時は写真の色んな可能性に目が見開かれていってなんでもかんでもこれで撮っているうちに良さを感じられなくなり2015年の5月頃に手放した。
人付き合いでもある領域で特異な能力を発揮できるのに畑違いの用事を押し付けて本人(レンズ)も上司(自分)も腐ってしまって不幸な別れ方をしてしまう。
今回たまたまネットでこのレンズで撮られた写真を見て、あぁそうだよな。このレンズは本来こういう使い方をすべきだったんだよなと十年以上前の蜜月時代を思い出した。
焼け木杭に火が付くじゃないけれど、あの頃は済まなかった、君ともう一度やり直したいんだ、なんて言いながらネットを徘徊するがなかなか見つからない。ようやく見付けて、今日は近くの遊歩道のわずかに背丈1cmほどのキノコを撮ってみた。手持ちマニュアルフォーカスで4枚撮って合成。
2025/10/23
トーンについて
トーン。
普段何気なく使っているのにいざ面と向かってその意味を問われると言葉に窮してしまうもののひとつ。
写真クラブなどで他のメンバーの写真に感想を述べるときに「トーンがいいですね」とか「この写真の持つ独特のトーンが好きです」といったふうに、これはよく使う言葉なのだ。
トーンというのは一般的に、というか僕の中では「ムード」という言葉のイメージに近い。音や楽曲、絵画や写真などで、それを見たり聞いたりしたときに心の中に生まれる独特の感覚。
悲しい、寂しい、寒い、暖かい、嬉しい。いや、もっと微妙なもの、言葉にならない雰囲気、ムード。音楽で言えばある種の楽曲のある種の和音の連続が心という湖面に静かなさざなみを生み出すことがある。ああ、この感覚。とても言葉では言い表せないが心の中に生まれる特異な振動のようなもの。
いやいや、これではちっとも明らかにならないですよね。
以前フォトマスター検定の勉強をしたときにフォト検の公式テキストのLesson34 「光と色」のセクションを勉強しながらテキストに載っていないいわゆるトーンについてネットで調べていてだんだんわかってきたことがある。
まずあなたはどこに住んでいますかと聞かれたときに我々は何県の何町の何丁目の何番地に住んでいますと答える。そう答えることでこの広い地球上の一点を特定することが出来る。
色の場合も無数にある色を、色相(色の種類)と明度(色の明るさ)と彩度(色の純度)の三種類の番地で特定することが可能なのだ。
例えば上図のこの色を指定したければまず色相で赤を選び、次に明度を選び、最後に彩度を選べばこの色に到達することが出来る。
で、トーンというのは「明度と彩度の比率を揃えた色の調子のこと」なのだと(詳しくはこちらのサイト(リンク)を参照)。
どういうことかというと、まず色相(色の種類)は何でも構わない。その色相、例えば青を選んだときにそれを好みの青にするために明度を明るく(例えば10段階の8)、彩度を低め(例えば10段階の2)にする。
そしてその写真の他の色、例えば黄色や赤も、青の明度と彩度と同じにすると、その写真は全体の明度と彩度が統一されたある特定のトーンになる。
具体的には上図のライトグレイッシュというのが今回指定したトーンだ。
このライトグレイッシュを見ると、青や赤や黄色や緑といった各色相が、明度は明るめで彩度が低めに統一されていることがわかる。
そして例えば写真においても各色がこのライトグレイッシュで統一されていると、写真全体がライトグレイッシュなトーンなる。
ただし写真のレタッチでは各色の明度と彩度を個別に調整するわけではない。
例えばPhotoshopでは
露光量で全体の明度を、彩度で全体の彩度を変えることが出来るので、知らないうちに僕達は特定のトーンを選んでいることになる(色相はホワイトバランスや色温度や色被り補正で変えられる)。なお特定の色相だけ明度と彩度を変えることが出来るがやりすぎるとトーンが崩れてしまう。
ちなみに今フジのクラシッククロームというフィルムシミュレーションが流行りだが、これは明度はいじらず意図的に青以外の彩度を落とし(緑の彩度はやや高め?)、暗部のコントラストを上げてシネマっぽいトーンに仕上げている気がする。いや個人的な感想です。
ここで蛇足。トーンとは、彩度と明度が同じ色相群のことである。
2025/10/13
2025/08/23
本の虫
僕は本好きというか活字好きで、これまでたくさん本を読んできた。現役の頃は時間がなくて読書から遠ざかっていたが退職後ふたたび堰を切ったようにまた読み始めた。この8年の間に読んだ中~長編は以下のごとくだがその殆どは近代から古典に属するものだ。
吉田健一著作集(集英社30巻)、内田百閒全集(ちくま文庫25巻)、坂口安吾全集(ちくま文庫18巻)、枕草子(小学館日本古典文学全集)、桃尻語訳枕草子(橋本治河出書房新社3巻)、ひらがな日本美術史(橋本治新潮社7巻)、徒然草(島内裕子訳ちくま学芸文庫)、源氏物語(林望訳祥伝社文庫10巻、橋本治訳中公文庫14巻、田辺聖子訳新潮文庫5巻、角川ソフィア文庫10巻)、源氏供養(橋本治中央公論2巻)、平家物語(橋本治訳中公文庫16巻)、院政の日本人(橋本治講談社)、権力の日本人(橋本治講談社)、今昔物語(小学館日本古典文学全集4巻)、宇治拾遺物語(小学館日本古典文学全集)、室町物語草子集(小学館日本古典文学全集)、伊勢物語(阿部俊子訳2巻)、聊斎志異(平凡社ライブラリー6巻)、本居宣長(小林秀雄新潮文庫2巻)、井原西鶴全集(小学館日本古典文学全集4巻)、小右記(角川ソフィア文庫)、アラビアンナイト(角川ソフィア文庫)、ガリア戦記(講談社学術文庫)、モンテ・クリスト伯(山内義雄訳岩波文庫7巻)、ダルタニアン物語(鈴木力衛訳ブッキング11巻)、ノートルダム・ド・パリ(潮出版)、レ・ミゼラブル(佐藤朔訳新潮文庫5巻)、ドン・キホーテ(牛島信明訳岩波文庫3巻)、ツァラトゥストラ(手塚富雄訳中公文庫)、ファウスト(手塚富雄訳中公文庫2巻)、シェイクスピア四大悲劇(石井美樹子訳河出書房新社)、ガルシア・マルケスの百年の孤独(新潮文庫)と族長の秋(新潮文庫)、列子(小林勝人訳岩波文庫2巻)。太公望(宮城谷昌光文藝春秋3巻)、晏子(宮城谷昌光文藝春秋3巻)。最近読み始めたのは太平記(小学館日本古典文学全集4巻)と南総里見八犬伝。
南総里見八犬伝は最初河出文庫版(上下2巻)を買って読み始めたがあとになってKindle版の方が全訳なので意味が取りやすいとわかったのでホクホク読み始めたがKindleは7巻までであとの第8,9巻は未刊だった。それで7巻以降は仕方なく河出文庫で引き続き読み始めたが意味不明の箇所が多い。ネット検索していたらたまたま山本哲也さん?という方が書いた八犬伝のまとめサイト(リンク)を発見。読みやすいだけでなくかなり原典に忠実に書かれているので驚いた。そして河出文庫版が読み辛かったのはやはりかなり省略されていたことが原因だった。今後はこのサイトで読みついでいこうと思う(さらにこの方の訳した椿説弓張月も面白そうだ)。
追記:上に挙げた様々な作品のなかで抜群に面白く読み終わるのが惜しいと感じたのはモンテ・クリスト伯、ダルタニアン物語、レ・ミゼラブル、そして南総里見八犬伝の4つ。













































