わたくしは昔からハンカチと云ふものに疎遠であった。
小学校の低学年では持物検査と云ふものがあって、名札や帽子や上履き入れなぞとともに、きまってハンカチの所持を義務付けられていたから、
わたくしもやむなく黄色いハンカチを携帯するようにはしていたが、このハンカチをついぞ使ったことがない。
ひとは使わぬものをいつまでも携帯するものではないから、わたくしもいずれのときからかはわからぬがハンカチのことはすっかり失念してしまった。
ハンカチなぞなくてもわたくしは全く困らぬのだ。
だが世間ではハンカチを持たぬものに対してまるで生来の不潔漢のように蔑んだ眼で見るもののようである。
わたくしとて他人の目を気にせぬではない。
努力をして、なんどもハンカチを携帯しようとしたが、三日と続かぬ。わたくしはハンカチに縁がないのであらふ。
そう思って此の歳まで過ごしてきたが、先日テレビで石塚某君がふぅふぅ汗をかいてそれをハンカチで拭きながら食事をしているのを見て気が付いた。
わたくしは食事をしても石塚某のように滝のような汗はかかぬ。更に言へば昨今は手水へ行っても使い捨て紙タオルがあるゆえハンカチは不要である。
わたくしにはハンカチはいらなかったのである。
そういう訳でわたくしは今後もハンカチを携帯しないであらふ。
題名の"風"のところを見落としたから、ほんとうに漱石が書いたものをコピペしてるのかと思ったよ。石塚某でハッと気付いた。おもしろい。... shinさんハンカチ持たないんだ。すごく意外だなぁ。
返信削除blanketx49さんありがとうございます。
返信削除こんな文章をブログにアップすることに一体んどんな意味があるのかとも思いますが
なぜか昨日たまたまこういう夏目漱石風の擬古文を書きたいという思いが沸き起こったので書いてみました。
ハンカチを携帯するという習慣が身につかないんですよ。
だらしないですね。
こんにちは。ちょっとばかり、ほっとしました(笑)
返信削除shinさんが常時ハンカチ携帯で、ことあるごとに指先を拭くという
至極勤勉に清潔好きの人だったら…
いえいえ、清潔好きは歓迎すべきことなのですが、
いやはや諸所割愛しますが、ほっとしました(笑)
よいのですよ、少しばかり緩めの処があった方が^^
bouquet-nさんありがとうございます。
返信削除自分では自分のことをそれほど几帳面とは思っていません。
むしろその反対かと(笑)。
バラとヤマノイモ#4の写真、すてきです。
あの、少しこぼれた水が。