家人が寝静まった夜ひとりでソファに寝そべって天井を見ていると
青臭い感傷に見舞われることもある半世紀も生きたというのに
やがて私は跡形もなく消え去って世界は営みを続けるなんて
私は自分のお話を生きている
さいころを積む営みのように
昨日は8個だが今日は12個積めたとか5個しか積めなかったとか
そんな物語
そして例えば頭の中の小さな動脈瘤が破れるように
私の知りえない物語が突然私の物語を抹消するまで
羽化することのないカイコのようにまゆの中で乾いていく
わが墓いつか苔むして
文字さだかにも読めぬ日は
誰か知るべき君とわれ
住みてこの世に逢ひしことを(独歩)
おおい、でもこんなひともいるぞと
明日のことがわかったり動物と会話ができたり
自分の中と外の物語が繋がっているひともいるのだと
0 件のコメント:
コメントを投稿