日本語には「私は心を動かされた」という表現がありますが、英語でも「I'm moved」と言います。
「おやっ、これは何だろう」と身を乗り出し、目をむき、受け手が想像力を働かせたとき、受け手みずからが動く。
受け手に能動性を促すもの。それが魅力というものなのだろう。
余白や、使う色が制限されていることや、一部分しか見えていないことや、一部分を除いてぼやけていることなどは受け手をmoveする。
カラー写真はモノクロームよりも情報量が多い。
情報量が多いということは一見すると良いことのようだが、情報が多すぎると受け手側がmoveしない。
モノクロームの魅力の一端は、受け手の想像力を引き出すことと関係があるのだろう。
受け手が欠けた部分を補おうとすることでmoveする。
それとは逆に、与える側が受け手を圧倒することで、他動的に受け手をmoveする感動というのもある。
圧倒的な色彩。圧倒的なコンポジション。圧倒的なテーマで受け手を圧倒する。
翻弄される喜び。
受け手が能動的に動くか、他動的に動くかの違いはあるけれど、どちらも受け手が動いている。
じゃあ動かない感動というのはないのか。
動いているものを止めるという魅力も存在します。
ほかにも、動いているものをさらに動かすもの、動いているものを減速させるもの、というのもありますね。
ある人は、見るものを激しく突き動かすものこそが芸術だと考える。
ある人は、見るものを立ち止まらせるものこそが芸術だと考える。
ある人は、そんなこととは何の関係もないところで芸術をしている。