2009/01/18

欠けているものと圧倒するもの

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日本語には「私は心を動かされた」という表現がありますが、英語でも「I'm moved」と言います。
「おやっ、これは何だろう」と身を乗り出し、目をむき、受け手が想像力を働かせたとき、受け手みずからが動く。
受け手に能動性を促すもの。それが魅力というものなのだろう。

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余白や、使う色が制限されていることや、一部分しか見えていないことや、一部分を除いてぼやけていることなどは受け手をmoveする。

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カラー写真はモノクロームよりも情報量が多い。
情報量が多いということは一見すると良いことのようだが、情報が多すぎると受け手側がmoveしない。
モノクロームの魅力の一端は、受け手の想像力を引き出すことと関係があるのだろう。

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受け手が欠けた部分を補おうとすることでmoveする。

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それとは逆に、与える側が受け手を圧倒することで、他動的に受け手をmoveする感動というのもある。
圧倒的な色彩。圧倒的なコンポジション。圧倒的なテーマで受け手を圧倒する。
翻弄される喜び。

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受け手が能動的に動くか、他動的に動くかの違いはあるけれど、どちらも受け手が動いている。

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じゃあ動かない感動というのはないのか。
動いているものを止めるという魅力も存在します。

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ほかにも、動いているものをさらに動かすもの、動いているものを減速させるもの、というのもありますね。

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ある人は、見るものを激しく突き動かすものこそが芸術だと考える。

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ある人は、見るものを立ち止まらせるものこそが芸術だと考える。

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ある人は、そんなこととは何の関係もないところで芸術をしている。

16 件のコメント:

  1. 匿名1/18/2009

    ・・・・

    美しい葉ですね
    葉は枯れることでより美しくなるような気がします
    下の方は特にですが 着物の生地に似てませんか?

    shinさんの写真には見るものを立ち止まらせ 激しく突き動かします
    見るたびに感動します

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  2. yuukoさんありがとうございます。
    今日はちょっと気分が滅入りがちだったので、おととい写真に撮ったロウバイの所へ行って花の香りを嗅いだらすぐに帰ろうと思っていました。
    香りを嗅ぐのを忘れていたのです(笑)。
    ロウバイの香りを嗅ぐのは初めてでしたが上品ないいかおりでした。
    ほくほく気分の帰り道、モノクローム写真を撮り始めたらだんだん元気が出てきて、このキモノの生地のような枯葉を見つけた時には、おおっ!と思いました。
    題材によっては、目がとまった瞬間にいいものになるかどうかわかることがありますが、このときもそうでした。和紙にも似ています。
    ハンカチの木というのがありますが、帰ってネットで調べたら全然違いました。
    これは何の葉っぱかわかりません。
    それから「感染列島」という映画を観に行き、再びどーんと気分が落ち込んで帰って来ました。いや、映画はすばらしかったんですが。
    yuukoさんのコメントでまた元気が出てきました。
    気分が変わりやすい性分です(笑)。

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  3. 匿名1/19/2009

    ある芸術家が「傑作」を完成させた場合、

    「対象(モチーフ)に突き動かされた」のは「その芸術家自身である」
    と、まずは言えるのでしょうか。

    とすれば「動き」の流れは

    「対象」⇒「芸術家」⇒「作品」であり
    「作品」⇒「鑑賞者」であるも

    「対象」⇒「鑑賞者」には必ずしも「動き」が繋がってないのでしょうね。
    その辺りが、何となく面白いですね。

    夏目漱石の短編『夢十夜』の中で(第6夜)
    「(仏師は)対象を木を彫って作るんじゃなく、元からその形で埋まってる対象を(木の中から)掘り出すのだ」みたいな解釈がありましたが、

    そう考えると「芸術家」の役割は、日常の中の「対象」を掘り起こし、スポットを当て「鑑賞者」に「気付かせ、動かす」ことこそ、なのかも知れませんね。

    TiM3

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  4. 匿名1/19/2009

    TiM3さんが書かれたこの部分

    >日常の中の「対象」を掘り起こし

    に同感します
    芸術家は だれも気付いていないような当たり前の日常から対象を掘り起こすのだと思います

    ロウバイの香りを嗅いでみたいです
    花に似合った上品な香りなんですね♪

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  5. 匿名1/19/2009

    shinさんの確かお好きだったストロースの「野生の思考」の中にこんなフレーズがありますね。

    それを是とするか否とするかは別にして、野生の動植物と同じく、現在なお野生の思考が比較的よく保護されている領域がある。
    芸術の場合がそれであって、我々の文明はそれに対し、国立公園なみの待遇を与えているが、このように人工的な方式は、当然それに伴う利益と不都合とがある。
    また、社会生活の中にも、まだ開拓が進んでいなくて、とりわけてこれによくあてはまる領域がたくさんある。
    そこには、無関心のために、もしくは無力のために、また多くの場合は我々に分からぬ理由のゆえに、野生の思考が依然として繁茂している。

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  6. TiM3さん、yuukoさんサンキュです。
    対象に意味はないのでしょうね。
    対象は単に光と色彩のモザイクに過ぎない。
    イデアは僕達の中にあって、そのイデアに呼応する外界のモザイクがくり抜かれるだけなのでしょう。
    人はみなそれぞれ自分の中にあるイデアに沿って外界をくり抜くのでしょう。

    とーしさんサンキュです。
    イデアにもいろいろあって、ステレオタイプなイデアを持っている人が多いけれど、芸術家はよりディープな、プリミティブな(原初的な)イデアを持っているのかもしれませんね。より原初的であればあるほど、より多くの人の心の深いところに通底する力を持っているのでしょうね。

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  7. yuukoさん、みゆさん、TiM3さんのブログをブログリストにアップさせていただきました。

    そんなこと聞いてへんぞ!
    お怒りの方はご一報下さい(笑)。

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  8. 匿名1/19/2009

    ワタシのブログには、冒頭に「ロゴ」が付いていなくて
    悲しいのす、、

    でも、有難うございました。

    真っ先に「追放」されぬよう、精進いたします(⌒〜⌒ι)

    TiM3

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  9. 匿名1/20/2009

    shinさん ありがとうございます
    ブラックリストって読んであせった私でしたσ(^_^;)

    >真っ先に「追放」されぬよう、精進いたします

    me too! であります☆

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  10. TiM3さん、yuukoさん、みゆさん、勝手にマイブログリストにアップしちゃってすみません。
    「待て待て待て~い、おいらのブログはどうして載ってないんだ!」とお怒りの常連さんがおられましたらお気軽にご連絡ください。
    すみやかにアップさせていただきます(笑)。

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  11. 匿名1/20/2009

     あらま、こんなことになっていたとは!
     shinさん、ブログをご紹介いただきありがとうございます。
     しかも「追放」が待っているかもしれないとは!
     これは急いでバスローブの疑問にお答えせねば!

     いろんな使い方があるのでしょうけど、私はお風呂から出ると、バスマットの上に立って、バスタオルを頭だけに巻いて、バスローブを羽織ります。そして、お風呂スリッパ(べしょべしょのまま履いて大丈夫なスリッパ)を履いて、そのままリビングに移動します。
     髪を乾かして、汗やほてりが収まったら、バスローブから下着+パジャマに変更っていう手順ですね。
     濡れた髪でパジャマが濡れるのも嫌だし、体を拭かずにいきなりバスローブを着るのって気持ちよくって、、、、やめられません。

     あ、yuukoさんのブログ、素敵です!また、お尋ねしますね。ネコちゃんの毛並みのつやつや具合が気持ちよさそうです。
     TiM3さんのホームページは時々見ていました。映画の本数が尋常じゃないですよね。これからも楽しみにしています。
     今年もいい年になりますように!っていうか今年こそいい年になりますように!

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  12. みゆさんサンキュです。
    なるほど。女性は髪が長いから乾かすのに手間がかかるんですね~。バスローブの使い方、理解できました。
    僕はお風呂から上がったらすぐ食事なので、たぶん今後もバスローブを使う機会はないと思います。
    でもなんとなく優雅で良いですね。

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  13. 匿名1/21/2009

    「バスローブ」と言えば・・
    「ブランデーグラス」「鹿の頭の剥製」「暖炉」がお約束のセットですよね☆

    キタのどっかに“リッチマン体験パブ”なんてのはないのかなぁ・・(妄想)

    TiM3

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  14. ブランデーグラスで漫才コンビ「ルネッサンス」しか思い浮かばない僕は想像力が枯渇してるんやないか~い?

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  15. 匿名1/23/2009

    ブランデーグラスで石原裕次郎しか思い浮かばない私は完全なる想像力の欠如やね・・・

    みゆさん ありがとうございます
    北海道は温かすぎて気分がすぐれない毎日です
    これからどうぞよろしくお願いします♪

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  16. 匿名1/25/2009

     yuukoさん、雪がふわふわで素敵です。でも、とっても寒いんだろうなぁって思ってたら「温かすぎて」ってことは、、、んん、所変わればですね。
     これからも楽しませていただきますね!

     しかし、下戸の私にはブランデーグラスは合わないし、石原裕次郎っていえば車がクラッシュするか燃え上がるかだし、、、そういえば「太陽にほえろ!」って田舎過ぎて山に邪魔されてそのチャンネルが映らなかったですねぇ。

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