2008/10/02

学研の「科学」

僕に科学の喜びを教えてくれたのは学研の「科学」だと思う。
白いフロアーに座った一人の小学生のまわりに積み上げられたたくさんの米やパンや野菜や肉や卵や牛乳。
僕は今でも「科学」のそのページを思い出すことができる。
それは少年がこの一年間に食べた食べ物の総量をあらわしていた。
次のページにはマラソン選手の横顔が写っている。
マラソン選手は42.195km走ると4キロ体重が減るという。もちろん汗もかくけれどそれを差し引いても走っているあいだに体重が減る。
減った体重はどこへ行ってしまったのか。
僕達は自動車や蒸気機関車のように食べたものを燃やしてエネルギーを作っている。
つまり僕達は一種の内燃機関なのだ。

またこんな特集もあった。
小豆島に住む3人の小学生が夏休みに無人島探検をする。
彼等の行き先は小豆島の沖合に浮かぶ福部島という小さな島。
彼等はその島で小さなカタツムリを発見する。
そのカタツムリは小豆島にもいるカタツムリ。
海を隔てているのに、どうして二つの島に同じカタツムリがいるのか。
やがて彼等は福部島と小豆島が、大昔は陸続きだった可能性に気が付く。
小さなカタツムリが物語る地殻変動の大きな物語。
福部島の海に沈む夕日をバックにした三人のシルエット。

僕達が平面で生活しているときにはまったくその意味に気付かなかった模様が、梯子に登って上から眺めると舌を出しているお茶目な神様の顔だったというようなめくるめく驚き。

自分たちが日々悩みながら格闘しているこの平面世界で、ああ、なんだ、こういうことだったのかと、この世界をすっきりと俯瞰的に眺めることのできる一つ上の視点を持ちたいと常々思う。
世界の見え方ががらっと変わる一本の補助線。
そんな視点や補助線を見つけたときのわくわくする興奮。
それはたしかに「科学」の贈り物だった。
それを今僕は深い感謝の気持ちで思い出す。

8 件のコメント:

  1. とーし10/02/2008

    shins さん、取ってたの?学研の「科学」。

    クラスに何人か取ってる子がいて、なぜかというか当然というか、みんな男子だつたなあ。

    なぜか学校で渡されてたよね。付録が立派でうらやましかったものだけど、やっぱり自分とは無縁な物だと思ってたのか、親にねだったりしなかつたな。

    学校で渡されてたと書いたら、教師と業者の癒着という想像がスルスルと現われてきて、困った連想の回路が出来ちゃってるようですわあ。

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  2. とーしさん、サンキュです。
    うん。僕は買ってたよ。
    学校で売ってたよね。体育館の横とか(笑)。
    その日は親にお金をもらっていつもより早く学校へ行くんだな。
    早く行かないと、みんな並んでて、始業までに買うことが出来ないから。
    「科学」の附録の思い出を語り出すと終わらなくなっちゃうけど、この附録が結構問題で、家に帰って袋を開けてみると部品が足りなかったり、真面目に設計図通りに作ろうとしても、どうしても理屈に合わない箇所があったり。
    で、次の日に販売員の人のところへ行って附録だけ変えてもらったりするんだけど、もう在庫がなかったり、もう販売員はいなかったり(笑)。
    なつかしいな。

    学研の科学と学習以外にも「毎日の勉強」とか。
    毎日の勉強は国語、算数、社会、理科というふうに科別で一冊ずつ売っていたんです。大判の横長のペラペラしたドリルみたいなやつ。
    「毎日の勉強」は本当におもしろくなかったので買ってもほとんどやらなかった。
    でもやっぱり並んで買っちゃうんだな。
    今でも思い出しても赤面するのは、お金を握りしめた僕が、「毎日の勉強だー!」って叫びながらドリルを売っているおっチャンのところへ走っていったこと。ああ、ほんとに恥ずかしい。バカ丸出し。

    学校でこういった教材を売ることに関しては、やっぱりバックマージンとか、色々あったんだろうなと思う。ぼくはね、ああいういかがわしさが許されていた時代の緩いムードは結構好きだな。
    たぶんどんなことも、結局は程度問題なんだよな。人間はしょせんAll or Nothingの世界には生きられないと思う。

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  3. とーし10/02/2008

    ああいった学習教材ってそんなふうに売られてたの?私のうっすらとした記憶では違っていて、申し込んでいた子だけが受け取ってたような気がするなぁ。

    そういえば思い出したけど、中学の時に「ミュージック・エコー」っていうアレも学習教材なんだろうな、そういうのを私も学校経由で買ってた。

    そのときの付録の楽譜をいまもまだ使ってるよ。35年以上経つんだけど、まだ健在。

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  4. ミュージック・エコーって何?

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  5. とーし10/03/2008

    あ、知らへんかった? あれは「科学」とか「学習」みたいにはポピュラーでなかったみたいやね。

    「科学」と同じように補助教材的なものやったんやろな。音楽関係のいろいろが載ってる本体と、やっぱり付録がついとって、それがレコードやったり楽譜やったりしたんやで。

    その、いまも手元に残ってる楽譜のFolk Song Albumっちゅうのの奥付をいま見てみたら、あらビックリ、やっぱり学研で発行してた本やったで。学研、手広いなあ。

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  6. いやー知りませんでした。すると学研は文系の「学習」、理系の「科学」、音楽の「ミュージック・エコー」の三本柱だったんですね。
    話は変わるけど、とーしさん出身は関西?
    めっちゃ関西弁やけど(笑)。

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  7. 私も“科学”と“学習”かってました。
    懐かしいです。付録が楽しみでした。
    ほとんどの子が買っていたので(その付録を)クラスで使うこともあったような気がします。

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  8. おお、SNOOPYさんも買われてましたか。とーしさんの言うように、確かに女の子が買っているのはあまり記憶にないですね。単にその頃は女の子の言動にまったく興味がなかったせいかもしれませんが(笑)。
    >ほとんどの子が買っていたので(その付録を)クラスで使うこともあったような気がします。
    うん、確かに理科の実験に使えますよね。
    僕が覚えているのはねー、
    天体望遠鏡
    ポケットに入るペン型の顕微鏡
    風速計、風向計
    降雨量測定器
    パラボラ式太陽熱集光器
    不思議浮沈子
    等高線に沿って石膏で作日本の模型
    加圧ポンプの付いた水鉄砲
    球根と水栽培ポット
    鉱物の標本セット
    硼酸か何かの結晶を作るキット
    うーん、もっといっぱいあったのにこれ以上思い出せない。残念。

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