F-801のシャッターが降りなくなったので心斎橋のカメラ屋さん(KメラのNニワ)へ持っていく。
店員のMえださんは素人の僕の相談にとても丁寧に対応してくれました。
まず、このカメラは発売から二十年以上経過しておりニコンさえ修理部品を保管していないと思われる。
修理すれば1万5千円以上、場合によっては2万円以上かかる場合もあり、同じタイプの中古の方がずっと安い。
そうか。やっぱり簡単に治るもんじゃないんだ。
でも僕はこれを機にF-801を手放して機械式一眼レフの中古を手に入れることも考えていたので
今度はその方面で相談を持ちかけてみた。
シャッタースピードは4000分の1は欲しい(開放で撮ることが多いので)。
するとFM2, NewFM2, FE2あたり。
まずNewでないFM2は球数が非常に少ないのでなかなか手に入らず同店にも今在庫はない。
FE2も4000分の1だが電子式。機械式の4000分の1となるとNewFM2だろうとのことでした。
そこで同店の在庫のNewFM2を2台持ってきてもらった。
シルバーのNewFM2はなかなかかっこいい。
1台は2万5千円で出来ればモルトの交換がお薦め、もう1台の後期型は3万3千円。
持参した35-70mmのレンズを装着してシャッターを押す。とてもいい。
あれこれ使い方を詳しく教えてもらう。
心は半ば購入に傾く。後期型のほうを勉強してもらうと3万円ジャストくらい。
でもなぁ、ちょっと高い。F-801よりさらに昔の、26年前のカメラなのにそれなりの値段がするのは人気があるから。
じゃあというわけで、僕の持参したF-801の中古の在庫を確認すると1台持ってきてくれた。
気持ちいいほどバシャバシャシャッターが切れる。ああ、これが本来の音なんだ。
僕の801はちょっとシャッターが鈍かったけど、それで普通だと思っていた。気が付かなかった。
僕はちょっと感動してしまって、「快調ですね!」と思わず声を掛ける。
でもMえださんは黙ってあれこれ触りながらじっとカメラの音に耳を澄ませている。
何度か操作を繰り返したのち、「オートフォーカスのモーターに何か異常な音が混じっています」
そして彼はまたショーケースのところへ戻って別の801を出してきた。
それは801ではなく後継機の801sのほうだった。
Mえださんはやはりあれこれいじくり、何度もシャッターを押し、オートフォーカスの音に耳を澄ます。
「こちらのほうがだいぶいい」
確かに僕が聞いてもシャッター音の切れがいい。
「これはいくらですか?」
「えーと、3200円です」
さ、3ぜん2ひゃく円?
「そう。3200円」
買って帰った801sを家でネットで調べると801よりAFが強化されており
●予測駆動フォーカス機能内蔵の高性能AF
●ハイパワー高効率コアレスモータ採用、電子回路再設計しAF応答速度を向上
●F-801のマルチパターン測光、中央部重点測光に、スポット測光を加えた3つの測光モード
とのこと。
スポット測光が加わっていることは思わぬおまけでした。これは欲しかった機能なのですごくうれしい。
いやー、それにしてもこんなすごいカメラがこんなに安い値段で手に入るとは。
うれしいけど、複雑な心境です。