2011/05/06

where there is a will

昨年春に季節限定で発売されたセーラーのボトルインク海松藍(みるあい)。
2ヶ月ほど前にようやくこのインクの存在を知りその色に惚れ込んだものの
さすがに500個限定ではもはや手に入れるすべもない。
こういう季節限定のインクは気に入ったらまとめ買いする人もいるようで
中には個人で50個注文した猛者もいたらしい。
僕がオークションでかろうじて2個入手出来たこと自体がむしろラッキーだったのだろう。

M800イタリックライティングは平研ぎ幅広のペン先に切割が一つなので
粘度の低いインクだと書き出しにやや難がある。
海松藍は染料インクにしては粘度が高くM800に入れても途切れずヌラヌラ書けて気持ちいい。
モンブランのレーシング・グリーンは黄色系の暗緑色だったが海松藍はやや青系の暗緑色で僕はこの色が好きだ。
この、暗い海のような黒緑色。

それにしても再販の予定がないというのは切ない。
インク工房で作ってもらう手もあるが、はたして粘度も同じになるかどうか。
保管しているレシピをもとにセーラーがオンラインで注文販売してくれたらと思ってメールを書いたが
「貴重なご意見として今後の参考にさせていただきます」という当たり障りの無い返事。

さてどうしたものか。
諦めるか。
僕は諦めきれなかった。
で、手に入れた。
僕がいくつまで生きるかはわからないけれど、たぶん一生分の海松藍を。



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fragile

4 件のコメント:

  1. shinさん。すげえよ。
    ところでこれは、日本では手に入らないけど
    海外では入手可能だったということなんですか?

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  2. さすがですね~、お見事です!!
    諦めないことの深遠さを思い知りました^^
    一生分って…、いったい何個なのでしょう(汗)
    ところで、もしかしてお察しかもしれませんが
    >fragile
    このテーマにハマっています…。
    単刀直入にこのママのタイトルのセイゴウ氏の著作は期待を裏切らない楽しさなのですが
    時間がなくて遅々として進まず…。
    と言いながらここにコメントなどしていて(ホント、よい気晴らしで有難いのです^^感謝してます)
    今日も諸所矛盾を抱えながら時間だけが過ぎてゆきます(汗)

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  3. blanketx49さんありがとうございます。
    すげぇでしょ(笑)。またの名をアホとも言いますが。
    >海外では入手可能だったということなんですか?
    はい。逆輸入しました。初めて利用する海外のオンラインショップはちょっと緊張するけど
    無事商品が送られてくるととてもうれしいです。
    blanketx49さんの撮られる写真の青と緑のトーンにも一脈通じるものがあるかもしれません。

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  4. cahier-bさんありがとうございます。
    諦めないといえば聞こえがいいですが要するに往生際が悪いわけですね。
    まあ、これも業ですから。

    正剛さんのフラジャイルはむかし読んだけど内容は忘れてしまいました。
    セイゴーさんといえばファウスト並みの博覧強記。
    とても気になる人だしこれまでいくつも彼の著作を読んでは見たんですが
    相性がわるいのか何を読んでも記憶に残りません。
    でも何となく彼からは無形のヒントをいくつも貰っているような気がします。

    インクは今手元に5個あって、来週にはもう5個送ってきます。
    年に1個も使わないだろうし、薄めて使えば20年くらいは困らないだろう。
    20年も経てば色素が変性してしまってもとの色ではなくなっているだろうけど
    その頃には僕のアタマも耄碌して脳みその中には白雲が去来しているから大丈夫。
    万年筆やインクを見ても食べ物と区別がつかなくなっているかもしれません。
    楽しみです。

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