露出補正をするためには
EV値が何を意味しているのかをもう少し直感的にイメージできるようにしておきたい。
そこで前述の馬場信幸氏の記載を引用する。
「倍数系列の絞りとシャッタースピードを単なる整数に置き換え、
その数字の和で露出量を言い表すようにしたのがアペックスシステム。
絞りの数字をAV、シャッタースピードの数字をTVと言い、
AVとTVの和がEVで、この数字だけで露出量が表せる。
例えば絞りF5.6(AV5)で1/60秒(TV6)では5+6でEVは11ということになる。
EVは絞りとシャッタースピードの和なので、
その組み合わせをどのようにしてもEV値さえ同じであれば、露出量も同じである」
(「カラーリバーサルフィルムのためのこだわり露出テクニック」馬場信幸著)より。
AV/Aperture Value
TV/Time Value
EV/Exposure Value
シャッタースピード | TV | 絞り | AV | |
1 | 0 | 1 | 0 | |
2 | 1 | 1.4 | 1 | |
4 | 2 | 2 | 2 | |
8 | 3 | 2.8 | 3 | |
15 | 4 | 4 | 4 | |
30 | 5 | 5.6 | 5 | |
60 | 6 | 8 | 6 | |
125 | 7 | 11 | 7 | |
250 | 8 | 16 | 8 | |
500 | 9 | 22 | 9 | |
1000 | 10 | 32 | 10 |
EV値が高いということはTVやAVが高いということなので
そういった対象を反射率18%のグレーに見せるには入射光量を減らす必要がある。
言い換えればEV値とは「光を抑えこむ力強さの指数」なのですね。
車に例えればそれは入射光を抑制するブレーキの踏み込みの大きさのことで
いや実際にそうだというんじゃなくて、そう解釈するとEV値というものをイメージしやすい。
スポットメーターのダイヤルのEV値を増やすということはもっと絞って入射光を制限することで
スポットメーターのダイヤルのEV値を減らすということはもっと開いて光を入れるということですね。
白い紙を露出計で測ったらEV値が13だったとする。
白い紙を反射率18%のグレーに見せたいならEV値13に応じた絞りとシャッター速度にすればよい。
でも白い紙を明るい紙に見せたいならEVを2つほど緩めて11あたりの絞りとシャッター速度を選択すべきだと。
これが露出補正の基本的な考え方のようです。
でこの本にはどのような被写体に対してどれくらいの露出補正をしたらいいかが
いろんな例を挙げて説明してくれています。
付記
EV値そのものは被写体の客観的な明るさの指標であって
本来上げたり下げたりするという性質のものではありません。
ここで「EV値を上げる、下げる」と表現しているのは
適切な露光量を求めるためにスポットメーターの(EV値を示す)ローレットを回すことを意味しています。
これだけ読んでも半分ぐらいしか分かりませんでした。
返信削除やっぱり理論的に露出を学んで、露出計も持ってないと分かりませんね。
いままで経験と勘で決めていましたが、こういう事はちゃんと勉強してないといけませんね。
デジカメの機能におんぶにだっこだったかがよく分かります。
フィルム時代に今の年齢だったら、カメラなんてやってなかっただろうな・・・(;´∀`)
jawaさんありがとうございます。
返信削除いや僕も今回ポジフィルムで写真を撮ろうと思って仕方なく勉強したんです。
デジカメならスポット測光、中央重点測光、マルチパターン測光やAEロックを使って撮っていれば全然困らないし
はずしてもRAWでなんとかなるでしょう?
それに撮ったあとすぐに背面液晶で確認できてすぐに撮り直せる。
何より露出について考えなくていいというのは撮影のスピード感が違うし
ピントや構図やシャッターチャンスに集中できるのでいい事ずくめです。
結局必要は発明の母といいますか、困らなければこんな勉強しません!(笑)。
私は絵を描く事がスタートだったので、
返信削除事象を平面から彫り起こすことから光を考えます。
見つめている場所が中心嵩になるように、そこから立体を彫り出してゆく。
その影がどの黒になるのか、どのグレーになるのかを決めるのが、
とても楽しいと感じます。
でも、いつも都合のいい状態の光なんて無理ですから、
やっぱりデジタル、もしくはネガカラーに自由度がありますね。
普段はどうしても入射光式の露出計に頼ってしまいます。
bouillonさんありがとうございます。
返信削除再開されて以来ずっと楽しみにお写真を拝見させていただいています。
深く作りこんでおられる写真はやはり光と影の視点が出発点なんですね。
色やテクスチャから発想を始める僕などとは大違いです。
漸く鳥羽口に立ったところなので、これからも宜しくお願いします。