2012/11/24
モノはナゼ立体に見えるか。
Nikon D800E with AF MICRO NIKKOR 2.8/55
View On Black
ものがなぜ立体に見えるのかをできるだけ簡略に説明してみる。
まず眼の前に人形があるとする。
この人形を片目ずつで見比べると明らかに我々は左右で違う映像を見ていることがわかる。
像は二つでも同じ一つのものを見ているのだから、脳はこれを統合しようとする。
右目と左目で見る映像がほぼ同じだと脳の苦労は少ない。
しかし左右の映像が大きく異なると脳は困ってしまう。
脳はいずれこれを統合するか、あるいはどちらか一方の目で見た像を統合像として代用するが
この脳の困り具合が大きい(統合されにくい)ほど物体は近くにあるか奥行きがあるかあるいはその両方である。
逆に脳は自分が困れば困るほどその物体は近くにあるか奥行きがある証拠だと認識して(それを逆手に取って)
自分の困り具合を奥行きのパラメーターとして利用しようとする。
つまり立体感とは脳の困り具合(左右の映像の統合のされにくさ)の程度を言い換えたものである。
以上本当かどうか責任は取りませんが(笑)昨日の「中判写真の持つ不思議な立体感について」の補足です。
付記:
「統合の不可能性」をモノの奥行き認識に利用するなんて、脳はなんてしたたかなんだろう!
付記その2:
鳥や虫は我々人間と比べて左右の目の間隔が非常に狭い。
左右の目の間隔が狭いとモノを立体的に見難いだろう。
しかし自分より小さな虫を食べるトンボや雀などを見ていると
彼らは我々人間よりも空中の獲物を捕える能力が高そうだが、それはなぜ可能なのか??
おそらく彼らは空中を上下左右に移動することで対象との距離感を掴んでいるのではないか。
例えば左右に30cm移動すれば左右の目の間隔が30cmの生物になったのと同じなわけで
空中を上下左右に高速移動できることが彼らの立体把握能力を何倍何十倍にも増幅しているのではないか。
Nikon D800E with AF MICRO NIKKOR 2.8/55
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わかりやすい説明をありがとうございます。
返信削除鳥の考察は面白いですね。
先日、NHKの「ダーウィンが来た」でブッポウソウという鳥が空中に飛ぶ虫をダイビングキャッチする映像を何度も見たのですが、人間の能力を超えた視力とツバメに次ぐ飛行能力に圧倒されました。
一直線に虫まで向かって捕らえ損ねても、瞬時に体を反転させ何度も虫にアプローチします。
shinさんの言う通り、瞬時にあらゆる始点から見ることによって立体的に把握して、虫を捕らえる能力を増幅していたんですね~。
jawaさんありがとうございます。
返信削除鳥が獲物に近づいて行く時に上下左右に移動しながら立体感を把握しているのかもしれないと書きましたが
jawaさんがご覧になられたNHKの映像から考えても、
鳥は一直線に対象に近づいていくわけで、違うじゃないかと(笑)。
一体どうやって距離感を感知しているんでしょう?
ひょっとすると接近に伴う獲物のサイズの変化を参考にしているのかな?
あるいは最初から一気に獲物の方向に飛ばずに
例えばその手前に向かって飛んでいくことで対象と自分を結ぶ線分の角度の変化を参考にしているんでしょうか。
ただ少なくともあの目の距離の狭い生き物が距離を感知する上で何らかの工夫をしているのは間違いないはずなんですが・・・。
その番組が好きで毎回録画しています。
返信削除いま思い出したのですが、
ブッポウソウは獲物の虫が飛ぶ飛行ルートを予測して捕らえると言ってました。
それだとshinさんの後者の分析が正しいのかな。
人間の目のメカニズムはまだ分からないことが多いらしいですね。
僕は頭が悪いのでよく分かりませんw
ダーウィンが来たはお勧めですよ。
信じられない程の高レベルな映像を惜しげもなく出してきます。世界レベルじゃないだろうかといつも思います。いったいどんなカメラマンが撮影しているのか気になります。
jawaさんありがとうございます。
返信削除なるほど、獲物の虫が飛ぶ飛行ルートを予測して捕らえるということは
自分の速度と対象の見える角度の変化から距離を割り出している可能性が高いですね。
彼らは我々よりも何倍も速く動くから
自分の移動に伴う対象の見え方の変化がより増幅されて感知できるのかもしれませんね。
おっと、それならテッポウウオやカメレオンはどうなんだ。
彼らがそんなに機敏に動いているとは思えんが。
うーむ、やっぱりわからん(笑)。