2018/08/27
LAMY DIALOG 3 再び
万年筆好きの人なら経験していると思うけど、買ってはみたものの何となく使いあぐねている万年筆が何本かあるものだ。僕にとってその1本がLamy Dialog3だ。
もとはといえば仕事用としていちいちキャップを付け外ししなくていい手軽さでパイロットキャップレスを購入したものの、数日使わないでいるとペン先が乾燥してしまうことのもどかしさに耐えきれず購入したのがこのペンだった。
洗練されたデザインとメカニカルなシャッター機構が魅力だけど何となく自分の手になじまず、しかもこのペンさえもペン先乾燥問題と無縁ではなかった。そうこうしているうちにパイロットキャップレスの乾燥問題が解決してしまい、さらにはDialog3をうっかり落として首軸先端の開口部が少し歪んでしまったこともあってこのペンは長らくお蔵入り状態だった。
最近またよく万年筆を使うようになったこともあって、なんとか復活させたいという思いで首軸交換の修理に出したこのペンが4ヶ月ぶりに僕の元に帰ってきた。修理の際に乾燥問題を伝えてあったので大いに期待しているところだがまだ使い始めなのでわからない。
さて、ではなぜ僕がこのペンを使いあぐねていたかだが、再び使い始めてようやくわかった気がする。
まずこのペンは重い。精緻なメカニカルシャッター機構を内蔵しているせいか、モンブランの149より13gも重い。それはいい。いいんだ。だけど重いペンは持ちやすくあるために太くあってほしい。このペンの首軸の把持部は149よりもやや太めだが、重量比を考えるともっと太いほうが安定すると思う。
それから人差し指のMP関節部にペンの胴軸が乗るんだけど、胴軸の素材がサラサラの金属なのと本体が重いので、ここで滑っちゃうんだな。パラジウムじゃなくてピアノブラックやピアノホワイトならましかもしれないけど。
ま、そういうわけで、使いあぐねていた原因の一端が見えたところでどうするかだけどDialog3を部分的に太巻き寿司にすることにした。使いさしの粘着力のなくなったベルクロテープをモビロンバンドで写真のようにぐるぐる巻きにした。
このペンをデザインしたフランコ・クリヴィオ氏が見たら憮然とするだろうけど、そして見た目は本当に不格好だけど明らかに持ちでが改善し愛着まで湧いてしまった。許せフランコ。
インクはYARD・O・LEDのブルーブラック。
追記:Lamy Dialog3の乾燥問題については日本では取り上げられているサイトを見かけませんが海外ではNib Dry Out Issueとしてあがっています。「数時間で乾燥して書けなくなってしまう」という人もいれば何の問題もないという人、インクを変えたら治ったという人や、Lamyに新品に交換してもらったという人まで様々です。シャッター機構についてはパイロットキャップレスのほうが評価が高いようですね。確かにキャップレスのほうが機構が簡単な分だけトラブルが少ないのかもしれません。
更に追記:上記の僕の改造についてはモビロンバンドでぐるぐる巻きにしたせいでクリップが常に押し下げられた状態になっており、これが乾燥問題に悪影響を及ぼす可能性があります。今のところ毎日使って何の問題もないのですが、一週間程度放置してどうかなどについては機会があれば報告したいと思います。
更に更に追記:5日ぶり(中4日)の登板で書き出し問題なしでした。
更に更に更に半年後の追記:うーん、やっぱり乾燥します。翌日には書き出しがかすれてしまう。要するに開口部を塞いでおけばいいのだと考えて、使い終わったら練り消しゴムをアズキ大に丸めたもので開口部を塞ぐようにしました┐(´д`)┌。
更に追記(2019/04/02):練り消しゴムは我ながらいい考えだと思ったけどゴムが溶けてきてシャッターの内側にへばりついてきた。それで無水エタノールで湿した綿棒で半閉状態のシャッター周りを丹念に掃除したら5日ほど放置しても書き出しスムーズ。思うにDialog3のペン先乾燥問題はひょっとすると微細なゴミがシャッターの密閉性を邪魔していたのかも。そしてこの微細なゴミを取ることが乾燥問題解決のカギなのかもしれない。まぁこれもしばらくは様子見だけど。
更に追記(2019/10/2)
上記の無水エタノールによる掃除後は極めて好調。一週間以上放置しても書き出しスムーズ。
Lamy Dialog3のピアノホワイトを買ってみた。想像通りピアノホワイトは指が滑らないので上記のような太巻き寿司にしなくてもそのまま普通に使える。皆さんにはパラジウムではなくピアノブラックやピアノホワイトを強くお勧めします。(と書いたものの最近はパラジウムの太巻きをはずしてそのまま使っている。いい加減なブログ。2019/11/4)
さらに追記(2021/12/23)
ペン先乾燥問題の最終稿を書きました(リンク)。
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