万年筆を積極的に使うようになると
何でもいいから書きたいという止むに止まれぬ欲望がわき起こってくる。
それで僕は今読んでいる本を万年筆で書き写すことにした。
毎晩万年筆でガリガリ書きまくる。
そのうち僕はペンの持ち方を意識するようになった。
もともと僕は指の関節を曲げ伸ばしして字を書くということが出来ない。
どうやって書くかというと、手首全体を動かして書く。
いや手首というより肩で書くというか。
あはは。自分でも笑ってしまう。
腕をブンブン振り回して書くなんて、何という無駄に労力のいる書き方だろう。
何度も改めようとしたけど長くは続かなかった。
どうしてかはわからないがすぐにもとの書き方に戻ってしまうのだ。
ところが今日いつものようにガリガリ書きながらふと親指の末節を強く屈曲させてみたら
指だけでペンがコントロールできることに気が付いた。
親指を強く屈曲させて、さらに末節を強く背屈させた示指をペンを押し付けると、
指で字が書ける。
考えて見れば、伸びた関節よりあらかじめ曲げた関節のほうが屈伸に移行しやすいし
曲げた指で持つ方がペンの保持がしっかり安定する。
やれやれ、たったこれだけのことがわかるのに半世紀もかかってしまった。
なんと長い道のりだったことだろう。
でも40年以上もかかってようやくわかることもあるというのは、それはそれで感動的なことだった。
長く生きていれば面白い発見があるものだ。
写真は今一番気に入っているセーラージェントルインクのブルーブラックと
セーラープロフェッショナルギアスリムのミュージックニブ 。