万年筆を積極的に使うようになると
何でもいいから書きたいという止むに止まれぬ欲望がわき起こってくる。
それで僕は今読んでいる本を万年筆で書き写すことにした。
毎晩万年筆でガリガリ書きまくる。
そのうち僕はペンの持ち方を意識するようになった。
もともと僕は指の関節を曲げ伸ばしして字を書くということが出来ない。
どうやって書くかというと、手首全体を動かして書く。
いや手首というより肩で書くというか。
あはは。自分でも笑ってしまう。
腕をブンブン振り回して書くなんて、何という無駄に労力のいる書き方だろう。
何度も改めようとしたけど長くは続かなかった。
どうしてかはわからないがすぐにもとの書き方に戻ってしまうのだ。
ところが今日いつものようにガリガリ書きながらふと親指の末節を強く屈曲させてみたら
指だけでペンがコントロールできることに気が付いた。
親指を強く屈曲させて、さらに末節を強く背屈させた示指をペンを押し付けると、
指で字が書ける。
考えて見れば、伸びた関節よりあらかじめ曲げた関節のほうが屈伸に移行しやすいし
曲げた指で持つ方がペンの保持がしっかり安定する。
やれやれ、たったこれだけのことがわかるのに半世紀もかかってしまった。
なんと長い道のりだったことだろう。
でも40年以上もかかってようやくわかることもあるというのは、それはそれで感動的なことだった。
長く生きていれば面白い発見があるものだ。
写真は今一番気に入っているセーラージェントルインクのブルーブラックと
セーラープロフェッショナルギアスリムのミュージックニブ 。
こんばんは。
返信削除肩で書く…。
なんと筋力の必要なw
まさに筆耕というべきか。
おもしろいでしょうね~、こんな風に書く人の姿を拝見してみたいものです。
半世紀かけての気づき(笑)、ほんと長く生きるといいことがありますね^^
やはり私がめざすべきは「楽しそうなオジサン」です。
それにしても、いつ見てもいいですねshinさんの筆跡は。
お人柄が伝わってくる気がします。
……と書いたところで自分の字を披露出来ないことに気付きました。
ほぼまちがいなく分裂気味が、ばれる?(汗)
うつうつとした関東からでした。
楽しい話題をありがとうございます^^
cahier-bさんありがとうございます。
返信削除こんな、どうでもいい話をわざわざこの時期に
アップするのは許されるのかとかなり逡巡して
一度は消したんですが。
実際自分の頭の中を覗き込んだら
少なくとも一色に染め上がっていないし染め上げるわけにもいかない。
日常は日常で粛々と進んでいく。
尊い仕事をしている人もバチ当たりな人も
すべて含めて人間の世界は滔々と流れていくんだから。
そんな言い訳です。