Don't look for zebra.
これは今取り上げている本には載っていません。
いつ覚えた言葉かは忘れてしまいましたが、強い印象と共に記憶した言葉。
シマウマを探すな。
これじゃ何のことかわかりませんね。
略さずに書くと
When you hear hoofbeats, don’t look for zebras.
背後でパカランパカランという蹄(ひづめ)の音がしたら
あ、シマウマだ、と誰が想像するだろうか、いや誰も想像しまい。
そうです。ひづめの音が聞こえたら、普通は馬を想像するわけです。
シマウマよりも馬に出会う可能性のほうがずっと高いですもんね。
つまりこれは安易に珍しい病名を思いつくことを戒める箴言です。
症状、身体所見、画像所見、血液生化学検査などの複数のサインが
すべてたったひとつの疾患を指し示しているなら話は簡単です。
でも実際の現場ではひとつの疾患ですべてのサインを合理的に説明できることは
むしろまれですし、矛盾するサインが同居していることもよくあります。
ではどうするか。
すべてのサインを説明できるような非常に珍しい病気を一つ考えるか
あるいは複数の病気の併存を考えるか。
前者がシマウマであることはおわかりと思いますが
いずれも情報の軽重を勘案していないという点では同じです。
全ての情報を等しく扱おうとすると、必然的に
全部のサインを網羅する珍しい疾患を考えるか
複数の疾患で全部のサインをおおわなくてはならないからです。
旧約聖書に「天の下に新しきものなし」という言葉がありますが
出来るだけポピュラーな病気を第一に考えるべきでしょう。
どの情報が重要で、どの情報は無視しても良いのかを知らなければなりません。
そのために必要なのは経験です。
経験が十分でない場合はどうすればよいでしょう。
この箴言はそのときに意味を持つのです。
こちらに“ハウス”という面白いテレビ番組があります。
返信削除ハウスは医者の名前です。日本でもやってるかわかりませんけど、ぜひ見てみてください。
彼は天才不良医者で誰にもわからない患者の病気の原因を突き止めます。shinさんならきっと彼のよき理解者になってくれると思います。
ああ、日本語で見たい!
http://www.fox.com/house/index.htm#home
3つに分けてあるお話、とても興味深く読ませていただきました。
返信削除沢山感じたこと、ここに書くのはもどかしいです。
shinさんは、やはり素晴らしい人だ!
ところでこの本、絶対に読んでみたいんですが翻訳版はないのでしょうか?
なかったら時間かけて頑張って読まないと(笑)。
SNOOPYさんありがとうございます。
返信削除ハウスのプロモーションビデオ見ました。
うーん、これは面白そうですね!日本でも放映されないかな。
日本のテレビ番組は今すごい勢いで劣化が進んで
もう誰もあまりテレビを見なくなってしまいました。
とても残念です。
ハードとしてのテレビはどんどん進歩しているのに
まるでそれに反比例するかようにソフトが劣化していく。
皮肉な話ですが、ハードとソフトというのは
テレビに限らず反比例するものなのかもしれませんね。
とかげさんありがとうございます。
返信削除あ、それは絶対かいかぶりです。
保証します(笑)。
この本の翻訳版はアマゾンでは中古で2700円以上しますが
出版社のサイトで購入すると送料込みで1400円位ですね。
こちらの方がお得です。
http://www.nankodo.co.jp/wasyo/search/syo_syosai.asp?T_PRODUCTNO=2205821
shinさん、ありがとうございます。
返信削除早速注文しました!