赤茶けた沼地や湿原などを歩いていて汚い水溜まりに油膜のようなものが浮いているのを見たことがないだろうか。
近くの錆びたドラム缶から流れ出した油や地中で発酵した物質の油分などを想像しがちだが、これは油膜ではなく酸化第二鉄の被膜なのだそうだ。
ポイントは赤茶けた沼地。つまりこれは鉄分の多い沼地で鉄イオンのFe2+をFe3+に酸化して得られるエネルギーを糧にして生きている、いわば鉄を食べるバクテリア(鉄バクテリア)が作り出した金属製の被膜だ。
油膜との見分け方は簡単で、木の枝などで膜を触ってすぐに膜の隙間が埋まれば油膜、隙間が閉じずにひび割れが残れば金属皮膜で、上の写真でも細かなひび割れや、金箔に息を吹きかけたときに出来る放射状のシワのようなものが観察できる(詳しくは
こちら)。
鉄バクテリアによって酸化第二鉄が作られる過程を示した化学式は
こちらを参照。
虹色の金属特有の光沢の美しさを、同じく金属の質感描写が得意なFoveonセンサーがとらえた一枚。
こんにちは.
返信削除意外なところに鮮やかな色彩がありますね.絵の具を混ぜたような,一見無機質の色彩にも微生物が関わっていると思うと,ちょっと違ったものに見えてきます.
少し違いますが,随分前に書いたマンモススプリングの微生物を思い出しました.
https://syareteru.blogspot.jp/2010/09/pcr-party-camping-and-recreation.html
熟読させていただきました。知らなかったことばかりでびっくりです。PCRが好熱菌のポリメラーゼを利用していたとは。とど2号さんはこの領域がご専門なのでしょうか。
削除shin様 こんばんは.
削除三脚の話を読んだので,Flickerの方で画像を拝見させて頂きました.
本気で撮影された絵は,写真を見る側もちゃんと見ないともったいないなあと改めて思いました.やっぱり透明感が素敵ですね.
PCRは学生の時に習った話が印象的だったので,以前に暇だった時にちょっと調べた付け焼き刃です.恥ずかしながら,専門は画像診断です. 爆