Leica M10-P Noctilux-M 50mm F0.95
普段の社会生活では心の網の目を広くしておかないといろんなものが引っかかって事が進まない。
広い網の目に引っかかるほどの重大事を優先的に処理していってそれがすんだら次第に網の目を狭めていくということをする。
写真を撮るときはそうではない。
カメラを持って散歩するとき私は大きな問題のない世界を歩いている。
そこで私は網の目を狭めて普段なら引っかからないような小さなものに気をかけている。
それは探したり捉えようとすると逃げてしまうので私の心はばかのようにうつろで、荷電粒子の通過を待つ霧箱のようなものだ。
高架から階段を降りて高架の下をくぐり川沿いに再び高架をくぐって階段に戻る途中ぼんやり歩いて通り過ぎて、そのとき心の蜘蛛の巣に付いた微小な水滴のネックレスが揺れた。そこで私は立ち止まり歩みを戻して雨に濡れたブロック塀の隙間から生える草と信号の光を撮ったのだ。
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