2021/10/04

考える三脚


#246
Fuji GFX50S GF23mm F4




傾斜地で、ゴツゴツした岩場の不整地で、三脚のいずれかが水面下にあり、水底の脚がどうなっているのかが見えない。
このようなケースで三脚をどのようにセッティングするかはネット検索しても見当たらない。
はじめの頃僕はカメラを載せた三脚を適当に開脚して適当に脚を伸ばして、あとはセットする位置を変えたり開脚角や脚伸長を変えながらモニター画面を見て構図を決めていた。しかしこれでは重いカメラを乗せながらああでもないこうでもないと三脚をぶん回すので不安定で危険が多いし、第一いつまでたっても構図が決まらない。その後いろいろ試行錯誤して大まかな結論に至ったので書いてみよう。

  1. 情景に応じたレンズを選んでカメラにセット
  2. 手持ちのままカメラのモニター画面を見る
  3. カメラの位置を変えながらベストポジションを決定
  4. そのカメラの空間的位置を記憶する(ポイント1)(※)
  5. ポイント1にセットした三脚の様子を想像する
  6. そのイメージ通りに三脚をセットする
※→ポイントの真下の地面にある石や草を覚えておく。ポイントの高さはへそや胸や頭など自分の体のどのあたりかを覚えておく。


















何をイメージするかというと具体的には3本の脚の配置と3本の脚伸張と3本の開度なのだが、上図のような場合そこに立っているのが三脚ではなくヒトだったら、例えばあなただったらどのように自分の身体を安定させるだろう。

BとCが足でAが腕なら、とりあえずはBとCで適当に立ち、Aの肘を岩にあてがってそこに体重をもたれかけ、それを支点にして(それを基準にして)BとCがより安定する足場を水面下で探るということをするだろう。
先にBとCを決めても支点となるAが決まらないと結局BとCの位置はチャラになる。Aを先に決める利点としてAは腕が短いのでより安定に寄与する。カメラからの距離が近いということは極端に言えばAの長さがゼロで、ヒトで言えば身体ごと壁にもたれている状態をイメージすれば、これが安定のカギだということが理解できる。

ここまでイメージできたら三脚を実際にセットする。
まずAの脚を大きめに開き、脚径の一番太い脚を目一杯伸ばして足りなければ太い順番に脚を伸ばす。
Aが決まったらBとCを伸ばす。開度はAより小さくし、一旦全伸長して三脚を置いてみる。
三脚の台座がポイント1に来るようにBとCの開度と脚長を調整する。

脚長を調整する場合、原則論としては脚径の細い足から順番に調整するのだが、足場の良くない水辺の傾斜地で台座がポイント1に来るようにBとCの位置や開度や脚長を変えるのは本当に大変。上の写真を撮ったときもCの足が水面下の岩と岩の間に挟まって抜けなくなりすごく手間取った。なので反論を承知で現場では僕は手元に近い脚径の二番目に太い脚で脚長を調整している(最遠部の脚には手が届かないし)。
だいたいポジショニングが決まったら三脚をグイグイ押して安定しているかどうかを確かめる。一見安定しているように見えても例えば上図のCの足のように接地面が斜めだとなにかの拍子に三脚がズルっと滑って倒れてしまう。石突はゴムだと滑るので金属スパイクがよい。

さて、三脚のセッティングが完了したら雲台やカメラをその上に乗せるのだが、例えば上の写真では俯角のまま水平にパンしながら3枚撮ってパノラマ合成している。水平にパンさせるには台座が水平でなければならない。三脚のセッティングでは脚長を調整してなるべく台座が水平になるようにするが微妙に脚長を調整するのは難しい。ギア雲台も斜めだと2つのギアでカメラの水平出しするのに手間取る。レベリング雲台を三脚と雲台の間に噛ませればギア雲台を垂直に立てることができて便利だろうということで今回の撮影をきっかけにLeofotoのレベリングベースを購入した。プラマイ15°なので使える場面は限られるが興味のある方はリンクを参照あれ。






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