2018/12/11

35mm

今回ライカを買うにあたって選んだレンズはNoctilux 0.95/50とSummaron 5.6/28。
この2つは被写界深度の観点からは両極端のレンズで、かたや極薄、かたや極深。ノクチはボケと立体感、ズマロンはドラマチックなコントラストと周辺減光というふうに、ともに性格がはっきりしている。普通によく写るレンズならわざわざライカを買う意味がない、いや少なくとも最初に買うなら鈍感な僕でもライカを買った意味をしみじみ感じることのできるレンズを選びたいという発想で選んだレンズだ。

もちろんこの2つのレンズには深く満足しているが、でも僕にはもう一つ憧れのレンズがある。それはCarl Zeiss Distagon 1.4/35 ZM
ヨドバシのKさんの作例は僕の中で長い間くすぶり続けたライカ熱の一番大きな燃料源だったと言っても過言ではない。もともとスナップを撮らない僕が35ミリという、いわばスナップ用の画角のレンズに惹かれたのはこのレンズで撮られた写真の醸し出すスタティックな印象によるところが大きい。

35ミリならこの作例に心を射抜かれたSummiluxはライカにピッタリのサイズだ。しかしなにしろ高すぎるし、さっきもDistagonのことをスタティックと表現したがSummiluxで撮られた写真は何となく動的な感じがして僕には似合わない気がする(すっぱい葡萄か)。

じゃあDistagonを買うかとなると次はお金の問題だ。Distagonの価格はSummiluxの1/3だがそれでも残念ながら今の僕には手が出ない。
35ミリならAi Nikkor 35mm F1.4Sがあるじゃないか。あまり使ってなかったろ?ともう一人の自分が言う。


DSCF4002A

K&FのNikon-L/Mマウントアダプターを介して装着。
マウントアダプターとフードを装着した分前に長い。Summiluxの倍ぐらいか。
レンジファインダーが連動しないのでピント合わせは背面液晶かビゾフレックス。










DSCF4003A

このレンズ(Flickrの作例はこちら)は開放での蠱惑的なボケと絞れば現代のレンズに負けない切れ味という二面性を持つことで有名だ。しかしマウントアダプターを介しての鏡筒の長さや重さを引き算すれば、新たに、しかも財布に優しいレンズを購入するならNokton Classicだろう(Flickrの作例はこちら)(ヨドバシの作例はこちら)。でも僕の場合に限って言えば、そして贅沢な立場であるということを充分わかった上での話だが、新たにレンズをどうこうするよりも僕にはFuji X100Fがある。ライカと2台持ちすればレンズ交換はいらないし、X100FはAFであるという利点以外にもカラーレンダリングの観点からきわめて優秀だ。











DSCF4007A

ちなみにSummiluxやDistagonやNokton Classicの最短撮影距離が70cmなのに対しこのレンズは30cmまで寄れる。












L1001132A
Leica M10-P Ai Nikkor 35mm F1.4S

「とにかくもっと使ってみなされ」と彼も言う。
























0 件のコメント:

コメントを投稿

twitter