2021/09/17
#234
渓流に降りる急坂の土手で初秋の落ち葉散る渓流を俯瞰で撮ろうと思った。
斜面に立てたGITZOのV4-Unitのアームを伸ばしただけでは手前の灌木が渓流に被さってしまうので、V4-Unitとギア雲台の間に延長ポールを噛ませようとしたが、ギア雲台をV4-Unitから外すとアロンアルファで固着させていた変換ネジが雲台側に付着。このままでは延長ポールを装着できないのでリュックからレンチを取り出し、変換ネジを外してV4-Unitに装着。急坂で三脚の周りを移動するたびに日本野鳥の会長靴に装着していたKahtoola KTS Steel Cramponsというスパイクが何度も外れ、苦労しながらはめ直す。予定通り延長ポールを間に噛ませたがこのままカメラを先端に乗せたら三脚が倒れてしまうので、以前苦労して取り付けたV4-Unitのエンドフックに重しをぶら下げることにした。かねてより準備していた買い物ビニール袋をリュックから出して手頃な石を探したが、いざとなると見つからない。探すと見つからないのが手頃な石なのだ。今日はさっきマムシと出会ったばかりだし、こんな急坂でマムシにでも噛まれたら急坂を転がり落ちてお陀仏だ。そこで用心しながら枯れ枝で岩の土手をポンポン叩いて蛇を脅しながら石を探し、ようやく見つけて袋に入れてエンドフックに引っ掛けた。それからギア雲台にカメラを装着。構図を決めてからH&YのCPLフィルターをレンズに装着しCPLを回して偏光の度合いを決め、CamRanger2の電源を入れてカメラに装着し撮影を開始。iPhoneで拡大画像を確認するとブレている。足場の悪い急坂でアームを水平に伸ばして撮ってるんだからブレるわなァと思いつつ、撮影までの時間をおいたりシャッター速度を変えたりいろいろやってみたがやっぱりブレる。仕方がない。手前の灌木が少し画角に入ってもやむを得ないと思い延長ポールを外して、かつ伸ばしていたV4-Unitを少し縮めて再び撮影。右上から画面の中央に向かって伸びている枝と渓流の斜面とは距離があるし、右下の灌木と渓流とも距離があるのでパンフォーカスにするためF32まで絞る。さらにISOや絞りやシャッター速度を変えつつ、構図も少し変えたりして三十数枚撮影したところで風が出てきて右下の灌木の葉が揺れだしたので撮影終了。あー、疲れた。だが出来上がった写真を見ながら思うのは労力と成果は必ずしも比例しないということ。
しかしこういった現場でのドタバタ苦労が全く無駄かというとそうではない。反省が機材の改良に繋がり機材の取り扱いの改善につながる。失敗や苦労を重ねていくことが成長につながるのだと思う。それと最近よく思うのは、あるAということをするのにさきにBをしたほうがいいかもとか、本来Cはしてはいけないんだがとか、こういった「フト」系の気付きを無視すると必ず痛い目にあうということ。現場では起きてほしくないことは必ず起きるし起きて欲しいことはまず起きない。そういう意味ではマーフィーの法則は常に正しくて、順序を意識することや面倒なことこそ大事という知恵を僕は写真から学んでいる気がする。
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