2023/05/26

広角マクロレンズの本懐


#544
Fuji GFX50S Laowa 15mm f/4 Wide Angle Macro



Laowa15mmマクロはレンズ前1cmくらいの昆虫とかキノコとか蛇とかを巨大にアップし周囲の森などを遠景にするというのが最もポピュラーな使い方だ。広角レンズは近くのものはより近く、遠くのものはより遠くにとらえるという特徴があって写真用語ではそれをパースペクティブ効果というがこのレンズはその特徴を最大限発揮したレンズと言ってよい。

で、僕もそんな写真が撮りたくて2015年にこのレンズを購入しこんな写真(リンク)を撮っていたのだが、実はこういう飛び道具系のレンズは飽きるのも早い。案の定僕も2年で売却してしまった。ではなぜそれを買い戻したかについては先日も書いたが(リンク)、最近僕は遠近感フェチである。たとえば上の写真はレンズ前10cm弱のジャゴケを手前に入れつつ中遠景の渓流を構図に入れたものだが実はこの写真も最初はGF20-35を装着して撮ろうとしたのだがパースが弱いのでLaowaに切り替えて撮った1枚だ。

GFXのGF20-35mmF4の最短撮影距離は35cmでワーキングディスタンスは21cm。風景撮影でなんの困ることもないスペックだが広角マクロを撮ろうとするととたんに厳しくなる。まぁ言い訳ばかり話してもしようがない。実は今回このレンズを買い直した最大の目的はこのレンズでパンフォーカス撮影してみようと思い立ったからだ。このLaowaのレンズは合焦部はシャープだがout of focusはちょっと汚い。そこで近・中・遠景の3枚撮ってHelicon Focusで合成すればきれいなパンフォーカスになるんじゃないかと。

それを試すべく昨日るり渓へ行って撮ったのが上の写真。クリックしてFlickrで拡大表示(※)してもらえばわかるがジャゴケの表面の微細なテクスチャが恐ろしいほど克明に描写されている。遠景のシャープさはGFレンズに遠く及ばないし辺縁の点像の流れは如何ともし難いが、2015年には考えもつかなかった方法でこのレンズに本懐を遂げさせることができたので僕は大いに満足している。

(※)PCでは等倍表示が可能ですがスマホやiPadではピンチアウトしかできないのでできればPCで御覧ください。




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