2021/03/26

風景写真に50mmレンズを



今日PetaPixelを見ていたら"A 50mm Lens is All You Really Need in Landscape Photography"という興味深い記事があったので最初の方だけ訳してみました。


私はThe Slanted Lensというサイトを運営している写真家でJay P. Morganといいます。このビデオではなぜ風景撮影に50mmレンズ一本で充分なのかをご説明したいと思います。
どうしてそんなことを言うのか不思議に思われるでしょう。実はCheyne Walls氏(彼は卓越した風景写真家です)と写真を撮っていた時、彼は自身が所有するAlpa 12 TC(35mm換算50mm)とPhaseOne Backだけで撮影していたのです。
私は不思議に思って、「なぜ50ミリだけで撮ってるんだい?」と聞きました。彼によるとその理由はこちらです。

まずそれはシャープである。単焦点レンズである。良い50ミリは明るい。眼で見るのと同じ視野が得られる。軽くて持ち運びしやすく動き回りやすい。常に構図を意識して撮る習慣が身につく。
しかし最大の利点は50ミリで撮った画像を貼り合わせることで広角レンズの一枚撮りよりもより精細な画像をより大きなキャンバスサイズで得られることにある。

彼は50ミリで1枚だけ撮るのではなく、たいていは3枚、つまり中央、右、左の3枚を、あるいは中央、上、下の3枚を撮って、それらをあとでフォトショップでつなぎ合わせて美しく仕上げています。
3枚撮ってつなぎ合わせるのはとても重要なことで、こうすれば24ミリよりも違ったパースペクティブ(遠近感)が得られるのです。それは3枚それぞれが50ミリなので歪みがないからです。こうすることでそのひとつながりを自分の目で見た50ミリのビューの連続として見ることができるのです。
以下略


最近は広角で撮ってもカメラ内補正や現像時の補正でいわゆる樽型歪曲を目立たなくさせることは可能です。50ミリで3枚撮ってあとでフォトショップで合成するなんて面倒なことをしなくても、といった意見やもっと手厳しい意見がコメント欄の大半を占めているようですが、それは記事のタイトルの"A 50mm Lens is All You Really Need in ~"の下線の部分が広角レンズ不要論として受け取られてしまったせいかもしれません。しかし本文を読めばこの記事は「50mmレンズ一本あれば事足りる」ではなく「50mmレンズはむしろ自然なパースを手に入れる有用な方法だ」ということを言いたい記事ですね。

ちなみに私達が(カメラなしで)広々とした景色を見るときどうしているかを思い起こすと、右から左へ、あるいは左から右へ見渡して、そして両腕を広げながら(おそらくこのとき見た景色の広がりと感動を頭の中で合成しながら)「すごーい!」と言ったりします。
私達はウサギや馬のように広い視野を持たない。だからこのようにまるで50ミリレンズをパンさせるように首を水平回旋させている。とすればこれは私達の生理にとても忠実な撮影法だといえましょう。


追記:
これを読んでちょっとひらめきました。。D800Eを縦にして回旋しながら3枚撮って合成すれば、20~40%を重なり部分として3:2ぐらいの横画像にできる。800/534の2乗=2.24なので画素数が約2倍、36.3メガピクセル×2≒72メガピクセルのカメラで撮ったのと同じになる。今僕が興味を持っているFuji GFX100Sの1億画素まであと一歩(笑)。
それでさっそく某フリマサイトで安く売りに出ていたKirkのL型ブラケットを落札したので到着を心待ちにしているところです。
こういうのを取らぬ狸の皮算用と言いますね。


さらに追記:
パンしながら撮った複数の画像を合成する場合パララックスが発生するのでレンズとカメラの組み合わせごとにノーダルポイントを決定しそのポイントを中心にしてカメラを回転させなければならないようです。


これはノーダルポイントを探す作業中です。詳しくはまたあらためて書くことがあるかもしれませんが現場からはひとまず以上です。







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