2022/03/28
カメラのグリップラバー
僕のメインカメラは今Fuji GFX50Sだが思うところあって近々Nikon D800Eを戦線復帰させようと考えている。しかし購入後10年が経過したD800Eのグリップラバーは加水分解でベトベトになっておりまずはこれをなんとかせねばなるまい。
ネットでヒットした方法、例えばエタノールや重曹やシリコンスプレーなどを試してみたがいずれも効果はなくむしろベトベトがひどくなってしまった。じゃあこの際だからニコンで張替えしてもらおうとネット検索したらすでにD800Eの張替えサービスは終了となっていた。
うーん、じゃあ思い切ってラバーグリップを剥がしてしまおうかと思ってラバーグリップの端の方を少しだけめくってみたらこのラバーは結構分厚くて、かつ剥がしてしまうと握り手がいびつなくぼみ面になってしまうようなのだ。ここでいったん思考が頓挫。
・・・・・・・
はがすのをやめて上から薄い貼り革を貼るというのはどうだろう。
例えばネットにはこんな(リンク)製品が売っている。
いやしかしそういえばむかし初代のSigma DP1に使った貼り革の残りがどこかにあったはずと探しまくってようやく発見。よしよしこれを使うことにしよう。
理想としてはラバーグリップ全域を貼り革で覆いたいがD800Eのグリップのうち人差し指の先の腹が当たる部分の曲率の加減でそのまま貼るとたわみが生じる。Bの領域はあえて覆わなくてもベタベタ問題の解決に影響はないからここには貼らずに黄色の線より下のAの領域だけに貼ればうまくいくのではないか。
そこでAの領域の寸法を測って貼り革を裁断
最初ロックタイトを塗って貼り付けたがすぐに剥がれてしまったのでその貼り革は捨ててもう一枚同じものを作成し今度はセメダインスーパーXGを貼り革の方だけに塗って
貼り付けたらしっかりひっついた
よしよし、これで心機一転してD800E君と新生活だ。
2022/03/27
STFのボケとマクロプラナーのボケ
ヒヨドリをアップして川縁シリーズを終えたのでオオミスミソウのレタッチを開始。この不思議なボケ感はマクロプラナー独自のものだ。
ボケといえば以前売却したMinolta STF 135mm f/2.8 [T4.5]を思い出す。STFの、まるでスリガラス越しに見るようなクリーミーなボケの素晴らしさ。そして背景のボケと打って変わって手前の被写体を恐ろしくシャープに抉り出す描写も素晴らしい。GFXでケラれずに使える点も魅力の一つだ(リンク)。
ただSTFの被写界深度はやや深いのでスリガラスの手前にしっかりとした被写体がある様子は衝立の前のモデルを連想させる。
これに反しマクロプラナーの背面のボケはSTFほどスムーズではなく乱れがある。その乱れというのは、背景の物体の輪郭線を残しつつトロけるという不思議なボケ方のことでそこが面白い。その不思議にトロけた世界の中で、手前の被写体はしっかりシャープでありながらこれまたアウトフォーカスに向かってトロけていくことでより魅力的な立体感を醸し出す。STFがモデルを引き立てるために背景の口を閉じさせるのに対しマクロプラナーはモデルと背景が一体となって妖しい世界を描き出すといえばいいだろうか。
2022/03/24
2022/03/20
KUVRD ユニバーサルレンズフード
目下絶賛愛用中のMinolta MC Rokkor 58mm F1.2
私はこのレンズにクローズアップレンズを付けたり外したりして使用しているがクローズアップレンズの脱着を容易かつ安全ならしめるためにマンフロットのXUMEという製品を併用している。これを使うとフィルターやクローズアップレンズを本来のレンズに(くるくる回さずに!)磁力で装脱着することができる
MC Rokkorのフィルター径は55mmなのでステップアップリングを介して62mmのXUMEのマグネットベースを装着し
62mmのマグネットフィルターフレームを装着したクローズアップレンズや
レンズキャップを磁力で装脱着している。
このMC Rokkorは古いレンズだがコーティングが優れておりフレアに悩まされることは少ない。とはいえやはりクッキリした画像を得るためにできればフードを装着したいものだとかねがね思っていた。手持ちのNikonの金属フードを装着してみたりもしたがフードを付けた上からクローズアップレンズは付けられないし、先にクローズアップレンズを付けてからフードを付けるとクローズアップレンズの交換のたびにフードを装脱着しなければならない。何かいい方法がないかとネット検索していたらKUVRD(カヴァード)のユニバーサルレンズフードという製品を見つけた(リンク)。
KUVRD UNIVERSAL LENS HOOD Sサイズ。ヨドバシで6,180円。
このようにかぶせる
フードをペロンとめくって裏返すと
そのままクローズアップレンズが装脱着できる
レンズキャップもこの通り
なんならフードを裏返さなくてもレンズキャップや
クローズアップレンズも装脱着が可能
完全に裏返してしまえばレンズ保護にもなる。ちょっとキヌガサタケみたいだが
フードは蛇腹になっているのでお好みの長さに調節すればケラレも回避できる。
以上フードを付けたままフィルターやクローズアップレンズを付け外しできたらなぁとお悩みの諸兄に耳寄りな製品の紹介でした。
2022/03/18
レンズの赤ポッチ
僕が中古で買ったMinolta MC Rokkor 58mm F1.2は最初からレンズ脱着マークの赤ポッチが付いていなかった。そこで何か適当なものを探して自分で付けてみようと考えた。
ネットで「赤ビーズ 3mm 穴なし」で検索しヒットした製品がこちら(リンク)。送料込みで500円。もうちょっと朱色っぽければライカの赤ポッチっぽかったと思うが見つけることができなかった。
外れた赤ポッチのくぼみの直径は3mm弱
ビーズの直径は2.7mm
ニッパーでビーズを半分に切る
セメダインスーパーXGを爪楊枝でくぼみとビーズの断面に微量付けて接着。少しはみ出てしまった。接着剤をもっと少なくすべきだった。
完成図
以上500円でできる赤ポッチ修理講座でした
2022/03/16
MCロッコール58mm F1.2でマクロ
Minolta Rokkor MC 58mm F1.2はそのままではGFX50Sでマクロが撮れないのでクローズアップレンズかエクステンションチューブを併用する必要がある。そこでNo.1, 2, 3のクローズアップレンズや18mm, 45mmのエクステンションチューブを付けた場合どのような画像になるのかを作例として載せておく。いずれもF値は開放1.2で画像はトップの写真で少し暗くした以外はすべて未加工。
クローズアップレンズもExtTubeもなしで最短距離
フルフォーマットでケラレはこの程度
クローズアップレンズもExtTubeもなしで最短距離
35mmフォーマット
Kenko MC CLOSE-UP NEO No.1で最長距離
35mmフォーマット
Kenko MC CLOSE-UP NEO No.1で最短距離
35mmフォーマット
Kenko MC CLOSE-UP NEO No.2で最長距離
35mmフォーマット
Kenko MC CLOSE-UP NEO No.2で最短距離
35mmフォーマット
Kenko PRO1D AC CLOSE-UP No.3で最長距離
35mmフォーマット
Kenko PRO1D AC CLOSE-UP No.3で最短距離
35mmフォーマット
EXTENSION TUBE 18mmで最長距離
フルフォーマットでケラレ少なし
EXTENSION TUBE 18mmで最短距離
フルフォーマットでケラレ少なし
EXTENSION TUBE 45mmで最長距離
フルフォーマットでケラレなし
EXTENSION TUBE 45mmで最短距離
フルフォーマットでケラレなし
これらの画像を見て思うこと。
- 35mmフォーマットにした場合縦横がトリミングされて画像サイズが約1.25倍になる。
- No.1のクローズアップレンズは実用範囲(※)が広いが拡大率はそれほどでもない。テーブルフォトにはいいかもしれない。
- No.2のクローズアップレンズはやや遠目のマクロから近めのマクロまで実用範囲が広く使いでがある印象。
- No.3のクローズアップレンズはNo.2に比べて実用範囲がやや狭い。
- 18mmのエクステンションチューブはケラれずにフルフォーマットで撮れる。
- Kenko PRO1D AC CLOSE-UP No.3は色収差が少ない。
※→ここでの実用範囲とは具体的には実感としての拡大率でありフォーカス移動に伴う構図作りの自由度を意味しているとお考えください。
2022/03/14
明るい環境におけるVisoflexの動作不良問題
今日は某所へ仲間と梅を見に行った。持っていったのはLeica M10-PとNokton ClassicとVelvet85。撮り始めて戸惑ったのはビゾフレックス(以下ビゾ)のモニター画面が真っ暗だったこと。ビゾを抜き差ししたりバッテリーを抜き差ししたりLVボタンを何度も押したり、ああでもないこうでもないと悪戦苦闘しようやくこの日の撮影の終り際にそういえばこのビゾはカメラが青空などの高輝度の対象を向いた状態で電源を入れるとビゾのモニターには何も映らず、まるで電源が入っていないかのように真っ暗のままという問題を抱えていたことを思い出した。真っ暗なままカメラを下に向けるとビゾのモニターにようやく映像が映し出され、その状態でカメラを空に向ければEVFとして使用可能。それならとカメラを地面に向けた状態で電源を入れるととビゾは問題なく作動する。これは僕の個体だけかと思っていたが今回ちょっと調べてみたら同じ問題に気付いているひとがB&HのMost Helpful Critical Reviewで見つかったので紹介する(リンク)。
Leica Visoflex Typ 020 Electronic Viewfinder
bright sun By ernest
拙訳:明るい日光のもとでモニターを見ながら撮影することの困難さは言を俟たない。そこで私はこのビゾフレックスを購入したのだが結果は同じことだった。ライカのサポートセンターに相談してみたら(ビゾフェックスの)輝度を上げるように指示されたのでやってみたが無駄だった。不思議なことに縦位置で撮ろうとしてその前に横位置にしているときにはごくたまにビゾフレックスは作動する。明るい日光のもとではビゾフレックスの動作は安定しないということをお伝えしたい。私はこの件について別のプロフォトグラファーと話し合ったが彼も同じ問題を認識していた。室内での使用はなんの問題もない。
この件についてネットにはほとんど情報が上がっていないので個体差の可能性もあるがひょっとして同じ問題を認識しているひとに参考になるのではと思い書いておく。
追記:メニュー画面でEVF輝度をオートから高に変更してみたら空を向けた状態で電源を入れてもビゾは正常に機能することが判明。
更に追記:EVF輝度を高以外に設定しても問題は発生しないことを確認。そこで試しにEVF輝度をもとのオートに戻してみたら正常に機能した。うーん。今まで苦労してきたのはなんだったんだろう。