2024/12/23
いまさらながらに思うこと
産経新聞の張本氏の回顧録を読むと彼が人生で経験してきた主に仕事上の人間関係や様々な局面での出来事を眼の前でありありと再現しているかのように語っていることに驚く。
翻って自分の場合は嵐のように過ぎ去った仕事の各局面をほとんど記憶にとどめていない。それはなんだか自分が違う世界に迷い込み、本来自分の居るべきでない場所で、ただひたすらあたふたしていただけだったからではないか。だからこそ一瞬一瞬にリアルのくさびを打ち込むことなく過ごしてきたのではないか。
仕事を自己形成の中心のどっかり据えている人もいれば、僕のようにいつも仕事とは別の自分がぼんやり宙を彷徨っているようなひともいる。そういうひとは積極的に他者とかかわらず、ただひたすら自分の頭の中だけで畑仕事をしている。
2024/12/22
アクションカメラを静止画撮影に使う
カヤック動画(リンク)を撮るために買ったInsta360 GO3だが今朝静止画で使うことを思いついた。Insta ace proはセンサーサイズが1/1.3でGO3の1/2.3よりも大きいのでace pro(中古なら3万円台)も考えたが、起きてから試しに庭でGO3で撮って画像(RAW)をPhotoshop内でハイパス処理後TopazでdenoiseしGigapixelで大きくしたら全然OKだった。GO3の方が軽いし焦点距離も35mm換算で7.5mm(ace proは10mm)で広いし(ちなみに画角はそれぞれ170度と155度)最短撮影距離もace proの40cmより30cm短い10cmなので僕の用途にはace proよりもGO3が合っている。こういう写真(リンク)もGFXよりずっと楽に撮れると思う。
2024/12/15
日常生活の冒険者たち
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国より
日曜日は妻と買い物に行く日課だが今日は妻が出かけているので一人で車で出かけた。走り出してしばらくして携帯を自宅に置き忘れたことに気がついた。あー、やっちまった。携帯がなければ事故ったときに警察にも保険会社に連絡できない。緊急の要件に対応できない。悪い予感ばかりが脳裏をかすめる。戻ろうか?いやいや、悪い予感の9割9分は起きないというじゃないか。ここはハラを決めよう。とにかく慎重に慎重を期して、絶対に事故を起こさないことだ。スピードは控えめに、起こり得るリスクを想定し、右・左折では首振り人形みたいに左右を何度も確認。いやいや、それだけでは不十分だ。フロントピラーに隠れた部分を確認するためには首を左右にシフトする必要がある。
そうやってなんとか無事にショッピングセンターに着いたがまだ油断は禁物だ。階段を降りるときに足をすべらせて転落したらどうする。携帯がないので救急車を呼べないし家族にも連絡できない。あ、向こうから歩いてくる男はひょっとしたらヤバい奴かもしれない。いきなり殴られて喧嘩になったら警察を呼べない。万引き犯と間違われたらどうしよう。そんなふうにいろんなリスクに目を配りながら買い物をしていたら日常が冒険になったことに気がついた。トシを取って頭脳・身体にいろんなハンデを抱え始めると、今までは平和そのものだった日常がまるでトラやライオンが跋扈するジャングルに一変する。これは世界が変わったのではなく、自分が変わったために世界の危険度がアップしたということだ。つまり自分の安全度が低下して、世界の危険度が相対的に上昇するわけだ。
それでなんとか無事に買い物を終えて再び車に乗って帰りながら道を歩いている人達を見るとお年寄りがいっぱいいる。いや僕もお年寄りだがお年寄りがふらふらと危なっかしく歩いている。老人にとって世界は危険に満ちている。そういえば病院で高齢女性が友人の同じく高齢女性にこう言っているのを聞いたことがある。「あのね山本さん、私達は転倒したら終わりだから」。
そうなのだ。目が悪くて視界が十分確保できないひとも、耳が悪くて周りの音がよく聞こえないひとも、頭が悪くなって判断力が低下したひとも、足が悪くてびっこを引いているひとも、みんなジャングルを必死に歩いているのだ。でも考えてみよう。それは悲痛な努力ではない。それはある意味自分にとって未体験の領域に突入したことにほかならず、ワクワクするような冒険を時々刻々体験しているということでもあるのだ。それに気がついた僕は老人を見て「あ、冒険者がいる!」と思わず叫んでしまった。そうなのだ。老人はすべからく冒険者なのだ。そう思った瞬間にしょぼくれてみすぼらしい高齢者はみなカッコいい冒険者に見えてきた。運転しながら、あ、冒険者!あ、また冒険者!あ、またあそこにも冒険者が!という具合に街は冒険者に満ちている。
2024/12/13
悪魔に魂を売る
最近ではインスタ映えのために高い崖の上で自撮りして転落死したり列車から身を乗り出した自撮りで頭が吹き飛ばされたり、あえて犯罪を犯してYouTubeにアップしたりするひとのニュースを目にするようになった。ある報告によれば世界全体で2008年から2021年のあいだに自撮り中の事故で379人が亡くなったという(リンク)。
例えばあるひとが今の自分には到底叶えられないようなことを望んだとする。それは例えばとてつもなくバズりたい、素晴らしい小説を書きたい、素晴らしい曲を作曲したい、この世のものとは思えない写真を撮りたい、手の届かない人と一つになりたいとか、まぁなんでもいいんだが、そしてそのためには悪魔に魂を売りわたしてもいいと考えたとしよう。この場合悪魔に売り渡す「魂」とは何なのだろう。そして魂を売り渡すと人間はどうなるのだろう。
とてつもなく叶えられそうもない夢を実現しようとするとひとは具体的にどのような行動を取るだろう。一言で言えばそのひとは常識外れなことをするだろう。常識では届かないものを手に入れようとすれば常識外れなことをするしかない。
ひとは健全な状態にいるときには頭と心と体は良い関係にある。人間の頭と心と体のどれかが常識外れなことを始めれば三者の統合は失われ人間としての存続が危うくなる。
「売春して何が悪い?売手と買手がハッピーなら誰にも迷惑はかけていないじゃないか」と、まぁこれは理屈だが頭(理屈)が独走すると心と体が悲鳴を上げ、トップアスリートのように体が独走すれば頭と心が悲鳴を上げ、恋の奴隷で心が独走すれば頭と体が悲鳴を上げる。
以前僕は「魂」というのは無意識の中で頭と心と身体の統合性を担っている場所のことではないかと書いた(リンク)。ひとがなにか手に届かないものを希求しようとすると頭と心と体の統合性が失われる。その現象を隠喩的に表したものが悪魔に魂を売り渡すということかもしれない。とかなんとか言いながら最近は僕もカヤックでの自撮りにハマっているから我ながら注意が必要だ。まぁバズる気配は微塵もないが。
2024/11/19
画角(視野角)から焦点距離を計算する
ある景色を見て構図をイメージし、その構図に見合った焦点距離のレンズを選ぶときに皆さんはどうされているのでしょう。
僕はたいていあまり考えずに適当にズームレンズを装着してみて、それでだめなら別のズームレンズを選ぶということをしているのですが、たとえば眼の前に分度器をあてがって画角がわかればそれで焦点距離を計算できるのではないかと考えたわけです。それで画角(視野角)から焦点距離を計算するための基本的な方程式を知りたくなってCopilotに尋ねてみたら以下の方程式を示してくれた。
うーん。タンジェントが入ってるし暗算は無理ですね。
ちなみにFUJIFILM GFXシリーズのイメージセンサーの対角線の長さは約55mm
フルフレームのイメージセンサーの対角線の長さは約43.3mm
2024/10/07
STFを買い戻す
Minolta STF 135mm F2.8購入履歴
- 2011年5月に購入
- 2011年10月にFマウントに改造
- 2017年に売却
それは光学ファインダーでは暗くて合焦が分かりづらく手ぶれ補正なしのD700では撮れ高が低かったことも大きいが、当時のことを思い返すとこのレンズに惚れたあまり何でもかんでもSTFで撮ろうとしてダメ写真を増産して気持ちが冷めてしまったことが一番の理由かもしれない。
さぁそれ以後ずいぶん長い間なんども間欠的にSTF熱がぶり返してきたが今回とうとう再購入となった。
要するにこのレンズはクリーミーなボケだけに注目すると画一的な写真を量産してしまうが、「反復するテーマの整理に優れている」ことに気がつくと俄然面白いレンズになる。
具体的にいえば上に挙げたチカラシバとか、藤とか(リンク)、チューリップ(リンク)のような、そのまま撮るとザワつくテーマもこのレンズはとても上手く整理してくれる。
STFの最短撮影距離は87cmなのでもう少し近接寄りに撮りたいときは18ミリくらいのエクステンションチューブを噛ませれば56cmから1Mまで合焦させられる。
ちなみにこのレンズの光学特性についてはこちら(リンク)、クリーミーなボケを生み出すアポダイゼーションについてはこちら(リンク)、GFXに装着したときの光学性能についてはこちらのサイト(リンク)に詳しい。
2024/10/05
2024/09/16
ATOLL Xを改造
この撮影をした時にいつもの位置にL型プレートをはめたら液晶モニターをフリップアップできなくて焦った。そう、いつもはカメラを高く掲げて液晶モニターをフリップダウンして使っていたのだがこの日は低い位置から縦構図でモニターをフリップアップする必要があったのだ(上の写真は横構図)。それでリュックにぶら下げていたsmallrigのねじ回しでL型プレートを逆向けに装着し直して撮影したのだった。その事を思い出して最近全然使っていない回転リングのATOLL XをGFXに装着して各レンズのハマり具合を確認した。ATOLLを使わなくなったのはGF45-100mmのOISボタンがリングに干渉するからだった。擦れるだけだったらまだしもレンズのカメラマウントにとても手間取るのだ。ガチャガチャしていつまでたってもレンズがマウントにハマらない。それで今日は思い切ってリングの干渉部分をヤスリで磨いた。だいぶ時間がかかったがなんとか上手くいった。これでATOLLをGFXにつけっぱなしにして使い勝手を確認してみようと思う。
2024/09/09
きのこの名前
昨日公園の裏の灌木林で見つけたキノコ。傘が焦茶色のラスタヘアみたいで丈が1cmもない。名前を知りたくてラスタヘア×きのこ×焦茶色の傘×すごく小さいで画像検索したが引っかかってこない。仕方がないので山渓の「日本のきのこ」を1ページずつ繰って似た写真を探したらどうもこのキノコはでホウライタケ属らしい。そこで一番似ているヒメホウライタケでネット検索したらもっと似ているハリガネオチバタケが見つかった。傘の溝も13本くらいだし柄が針金のように細いという特徴も合致。
僕はキノコ図鑑を3冊持っているが一番詳しくて日本のキノコが945種類も掲載されている山渓の「日本のきのこ」にもハリガネオチバタケは載っていない。
山で見つけたきのこの名前を調べるのに毎回途方に暮れる。何千種類もあるきのこを柄の長さ、柄の直径、傘の直径、傘の色の4項目で絞り込むことができればずいぶん検索が容易になるのに。それでそういうソフトを自分で作ってみようか、ちょっと楽しいかもと考えたが待て待て、もうすでにそういうAppleのアプリがあるかもと調べてみたらPicture Mushroom 1秒キノコ図鑑というのが見つかった。ためしにインストールして「日本のきのこ」の写真を撮って診断させたらかなり正確に名前を当てる。名前は違っても属はほとんど正解だ。属まで絞れたらその後の検索が格段に楽になる。サブスク代は年4,200円でちょっと高い。
が、翌日考えてみたらそんなにしょっちゅうキノコの名前を調べるわけじゃないし(僕の場合はおそらく年に2~3回?)知りたいときにその都度週額350円で利用すればよいと気が付いた。
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